張本智和を救った「休むことも練習だよ」 因縁の難敵を撃破、「練習の鬼」を変えた金言
卓球日本男子のエース張本智和(トヨタ自動車)が大先輩からの「金言」を胸に勝ち進む。シングルスのNo.1を決める国際大会「WTTチャンピオンズ横浜」第3日が9日、横浜BUNTAIで行われ、世界ランク4位の張本が2回戦で同15位のアントン・シェルベリ(スウェーデン)にストレート勝ち(11-5、11-5、14-12)。昨年パリ五輪団体準決勝で敗れた因縁の相手を破り、準々決勝に進出した。

WTTチャンピオンズ横浜
卓球日本男子のエース張本智和(トヨタ自動車)が大先輩からの「金言」を胸に勝ち進む。シングルスのNo.1を決める国際大会「WTTチャンピオンズ横浜」第3日が9日、横浜BUNTAIで行われ、世界ランク4位の張本が2回戦で同15位のアントン・シェルベリ(スウェーデン)にストレート勝ち(11-5、11-5、14-12)。昨年パリ五輪団体準決勝で敗れた因縁の相手を破り、準々決勝に進出した。
第3ゲームの競り合いを制して勝利を決めると、張本は右手に持ったラケットと左手で「T」の字を作り、スタンドに向けた。「(所属契約を結ぶ)トヨタのTです。ユニホームと同じ赤いシャツで応援に来てくれて。プレッシャーもありましたが、のびのびできて、勝てて。よかったです」と応援団に感謝した。
2ゲーム先取から追いつかれるパリ五輪と同じ展開だった。パリ五輪の時は逆転されてメダルを逃したが、今回は競り勝った。「自信になります」と張本。連戦が続く中で安定した力を出せている理由を「うまく休めて、リフレッシュできているから」と説明した。
連戦は続くが「大会が終われば休んで、おいしいもの食べて、遊びに行って、流れに身をまかせてやってます。休みをプラスにするように」と話した。時間さえあれば練習し、常にラケットを手放さなかった「練習の鬼」の変化。「宮崎(義仁)専務理事から東京オリンピック前に言われた言葉が大きかった」と明かした。
「休むことも練習だよ」と言われた。「言っていただいたことはありがたかったけれど、それよりも結果を出すために1分1秒でも多く練習したかった」と当時を思い返して話した。
練習を積めるだけ積んで臨んだ五輪や世界選手権で思うような結果が出せなかった。「ようやく宮崎さんの言葉の意味が分かった。もっと早く分かっていたらと思うこともあるけれど、当時はまだ高校生で卓球というか人生も知らなかった」と、22歳のエースは言った。
「もちろん練習は必要です」と言いながらも「ただ量が多ければいいというわけじゃない」と続けた。密に試合が続く卓球だからこそ、心身ともにリフレッシュが重要。「休むことも練習」を意識した張本が、余裕を感じさせながら難敵を倒して頂点まであと3勝と迫った。
(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)
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