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韓国戦で11得点も…18歳秋本美空に指揮官が「まだまだ」と言うワケ 期待値は特大「もっとできる」【ネーションズリーグ】

チーム最年少18歳の秋本美空【写真:中戸川知世】
チーム最年少18歳の秋本美空【写真:中戸川知世】

日本語学ぶ指揮官を選手も信頼…ミックスゾーンで「ハイ?」

 5月に始動した新生日本代表が目指すのは、28年ロサンゼルス五輪。12年ロンドン五輪以来のメダル獲得に向け、アクバシュ新監督が今年のスローガンに掲げたのが「STRONG ROOTS」。3年後のために、新しい選手を発掘し、育成して「強い根」を作ることを目指す。

 もっとも、地元ファンの前での国際大会。「勝利」も重要になる。ネーションズリーグ終了後の8月には世界選手権(タイ)も控える。「今年の夏にはベストの結果を出したい」というアクバシュ監督だからこそ「経験を積みながら勝つ」ことができたこの日の試合に笑顔をみせた。

 もちろん、まだまだ100点ではない。秋本については手の平を左右に動かしながら「まだまだ」と言った。11得点はしたものの、緊張からかミスもあり、守備面でも課題を残した。「経験できたのはよかったが、もっとできる」とアクバシュ監督。ロスへのエースとして期待するからこその評価だ。

 動き出したばかりの新生日本代表。石川主将は「チームの雰囲気はいい。明るいですね」と話した。アナリストとしての経験も豊富で、戦術の引き出しも多い。指揮官としての手腕は確かな上、チームのムード作りも巧みなようだ。

 バレーボールに限らず、外国人監督で最も重要になるのが選手とのコミュニケーション。「日本代表初の外国人監督になるのは誇り」と話すアクバシュ監督だけに、選手との会話も重視している。積極的に的確に話しかけるのはもちろん、さらに関係を密にするため日本語の習得にも力を入れているという。そんな姿勢も、選手たちの信頼につながる。

 12日のポーランド戦に向けて「難しい相手。特に」と言って右手を上げ「ハイ(High)、ハイ、ハイ?」。記者が「高さ」というと「イエス」と言ってニコリ。「多くのファンが見に来てくれると思う。いい試合、見ていて楽しい試合をしたい」と話したアクバシュ監督は再び日本語で「がんばります」。新しい監督に率いられ、新生日本代表が力強く走り出した。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)


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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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