球場間借り中のアスレチックス戦

　米大リーグ・メッツの千賀滉大投手は13日（日本時間14日）、敵地アスレチックス戦で今季2勝目をマークした。7回を4安打無失点の快投で、今季の防御率は1.06。ただ試合中は、意外な場所での準備を強いられるタフな登板。珍光景が中継に映し出されると日米のファンから「こんなとこでやってるのか…」と同情の言葉が集まっている。

　意外なところに姿があった。メッツのベンチで床に寝転がった千賀。他の選手の足元で登板準備をしていた。バランスボールの上に背中を乗せて腹筋に力を入れたり、腿の裏を伸ばしている。目の前には、ベンチを歩く選手の足が迫る。選手ファーストで、設備が充実している大リーグとは思えない環境だ。

　地元局「SNY」は公式Xで、7回を迎えようとする千賀がベンチで器用に登板準備する様子を動画で公開。「このようなことは先発投手はクラブハウスでやることですが、ここではベンチ内でやらなくてはなりません」と同情を禁じ得ない様子だ。

　日米のファンからは「球場の造りのせいでこんなとこでやってるのか」「クラブハウスが離れてるので先発投手のこんな光景が見られるサクラメント」「この男は私がこれまで見た野球選手の中で、最も一生懸命に自分の技術を向上させて完成させようとしている選手だ」と驚きのコメントが集まった。

　この日対戦したアスレチックスは、昨年まで本拠地を置いたオークランド・コロシアムを離れ、ネバダ州ラスベガスへの移転が決まっている。新球場が完成する2028年までは、ジャイアンツの3Aが使用するカリフォルニア州サクラメントの球場を間借り。対戦相手にとっても当面は厳しい環境を強いられそうだ。