ソフトボール上野由岐子が見据える46歳のロス五輪「イメージを変えたい」 新エース24歳後藤希友が追う背中「これ以上は負けられない」
ロス五輪では46歳になる上野由岐子「3年後の自分の心までは読めない」
24歳の後藤と対照的に、42歳の上野は自然体だった。日本リーグから通算して25回目のシーズン開幕。「タイトル獲得がチームの勝利につながる」と言い切った後藤に対し「チームが勝てれば自分の成績はどうでもいい」と話した。大会中に46歳になる28年ロス五輪についても明言は避けた。
上野「3年後は見据えています。でも、見えてはいない。勝負は1年1年、どういう立場で迎えているか。選手なのか、指導者なのか。もちろん、選手として行けるのであれば一番幸せかなと思いますが、3年後の自分の心までは読めない。ただ、選手として出た時の準備はしておかなければならない。そういう意味でのチャレンジです」
ロス五輪を見据えて、後藤同様にピッチングスタイルの変化を模索している。ただ、中身は違う。2日間で413球を投げ抜いた北京から20年後に迎えるロス。身体も心も大きく変化している。まずは、かつての「剛腕エース」のイメージからの脱却を口にした。
上野「変化のきっかけは年相応にということ。データ分析も進んでいて、打たれるのは時間の問題なので。モデルチェンジは感覚的なもの。投球術というか幅というか、みなさんが思っている上野のイメージを変えたい。『こういうピッチングもできるんだ』というように。1年でも長く選手としてやるためのモデルチェンジ。3年間試行錯誤を繰り返し、その都度考えていきたい」
昨年イタリアで行われたW杯では、10年ぶりに王座を奪還した。米国との決勝戦は後藤が先発。上野が5回から無失点リリーフをして試合を締めた。それが今の日本の「必勝パターン」か。ロス五輪に向けても、そのイメージがあるのかもしれない。
上野「今シーズン、個人的な理想としてはリリーフで活躍したい。もちろんチーム事情もあるし、監督やチームに求められれば結果を出さなければいけない。まずは満足できるシーズンを送ること。チームとしての(3季ぶり)優勝に貢献すること。満足できれば、それが次のシーズンの原動力になる。そうやってロスまでできれば」
22歳で初出場した04年アテネ五輪、その鉄腕で日本に初の金メダルをもたらした08年北京五輪、1年の延期を経て再び「胴上げ投手」となった21年の東京五輪。いずれも、決勝は米国戦。3大会の「休み」を挟みながらの4度目の五輪を前に、ベテランらしく冷静に話す。
上野「3連覇がかかることは、日本にとって大きなプレッシャー。しかも、ライバルのアメリカのホームで戦わなければならない。そんな中でも、私たちは結果(金メダル)を求めないといけない。だからこそ、どういう立場になるかは分かりませんが、経験値とかで少しでも手助けできると思います」
新旧の日本代表エースが、それぞれの思いで迎える7年ぶりの五輪。ニトリJDリーグの開幕は12日、3年後の大舞台を見据えて、新しいシーズンが幕を開ける。(荻島弘一)
(THE ANSWER編集部)
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