年間表彰式に出席、対面した中谷へ対戦を呼びかけ

　ボクシングの2024年度年間優秀選手表彰式が31日、都内で行われ、7年連続8度目の最優秀選手賞（MVP）に輝いた世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）らが出席した。井上はスピーチで、来年春の対戦が期待されるWBC世界バンタム級王者・中谷潤人（M.T）に「1年後の東京ドームで」と笑顔で対戦を呼びかけ、中谷も「是非、お願いします」と応じた。2人は表彰式後にも取材に応じ、井上は「きっとこの日本ボクシング史上、一番盛り上がる日本人対決になるんじゃないかと思う」と実現へ期待を膨らませた。

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　井上は昨年5月に34年ぶりに東京Dで開催されたボクシング興行でメインイベントを務め、ルイス・ネリ（メキシコ）に6回TKO勝ちした。この一戦が年間最高試合賞（世界戦）に選出。9月にはTJ・ドヘニー（アイルランド）に7回TKO勝ちした。今年は5月4日に米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでWBA世界同級2位ラモン・カルデナス（米国）と防衛戦を行う。

　7年連続、8度目のMVP受賞はともに自身の持つ歴代最多記録を更新。年間最高試合賞（世界戦）との2冠に輝いた。この日は来年春の対戦が期待される中谷と壇上で隣に座り、式典に出席。室伏広治スポーツ庁長官から記念の盾を受け取り、記念撮影した。

　井上はスピーチで今後の展望にも触れ「今年でデビュー13年目になり、今年の試合は5月、9月、12月と激戦が続いていく予定です。ここ最近、ファンの方々、関係者の方々から多く声が上がっている国内のビッグマッチに向けて、今年はベストを尽くしていきたいなと思っております」とコメント。ここで中谷の方を振り返り「そこで中谷くん、1年後の東京ドームで、ここ日本ボクシングを盛り上げよう！」と笑顔で宣戦布告。これを聞いた中谷も「是非、お願いします」と応じた。

　井上は表彰式後の取材で「声が上がっている国内ビッグマッチ。来年、お互いに結果を出し続けられれば実現するであろう戦いが待っているので。今年は5月、9月、12月と試合が続きますけど、ベストを出して乗り越えていきたい」と報道陣に語った。

「お互いがベストを出して今年、しっかりとした形で乗り越えることができれば、きっとこの日本ボクシング史上一番盛り上がる日本人対決になるんじゃないかと思う。自分自身にも期待して、彼にも期待して、今年一年を過ごしたいと思う」と1年後の実現に向けて気合を入れた。この日発言した意図については「こうやって顔を合わせる機会もあまりない。日本のファンのみならず、海外のファン、関係者も期待してくれる試合ではあるので、こういったこともいいのかなと」と説明した。

　同じく取材に応じた中谷も「今日、よりイメージするようになりましたし、これから先一戦一戦がより大事になるなと気が引き締まる思いです」とコメント。「井上選手もこういう試合を望んでくれているんだと直に感じられた。よりトレーニングをしていかないとなと思ったので、気合が入りました」と話した。

　国内のプロボクシングを統括する日本ボクシングコミッション（JBC）、ジム会長らで構成される日本プロボクシング協会、アマチュアの日本ボクシング連盟、東京運動記者クラブ・ボクシング分科会により各賞が決定。この日は受賞した一部選手らが表彰され、多くの一般の出席者が集まった。