井上尚弥の王座剥奪を救う新プラン 各団体1位同士で挑戦者決定戦、WBO会長が独自構想「一つの手です」
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)ら統一王者が恩恵を受ける新プランが浮上した。来日しているWBOのグスタボ・オリビエリ会長が11日、都内で取材に応じ、各団体の1位同士が統一王者への挑戦権を懸けて戦う新システムの独自構想を明かした。

WBO新会長が都内で取材対応
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)ら統一王者が恩恵を受ける新プランが浮上した。来日しているWBOのグスタボ・オリビエリ会長が11日、都内で取材に応じ、各団体の1位同士が統一王者への挑戦権を懸けて戦う新システムの独自構想を明かした。
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主要4団体で世界王者が存在するボクシングでは、王者が楽な対戦相手を選び続けることを避けるため、王者には各団体から「指名試合」が定期的に義務づけられる。統一王者は複数の団体から対戦指令を受けるため、3団体、4団体とベルトを増やすのが難しい。井上のように4団体統一王者になれば、ランク1位との対戦を求められるが、クリアできなければ王座剥奪となる。
井上がそんな剥奪を免れる方法をオリビエリ会長が明かした。昨秋のWBO総会で就任が決まった新会長は「指名試合と統一戦は最近特に話題ですよね。個人的には統一戦がこれから大事になる」と強調し、現在のシステムを踏まえて語った。
「指名試合、指名試合、指名試合で選手が時間を潰すのはもったいない。なので、指名選手同士で戦うのも一つの手です。各団体で話し合っています。先にWBO内でも1位と2位に試合(挑戦者決定戦)をさせるとか。必ずしも1位の選手に名前があるとは限りません。団体も、プロモーターも、ファンも喜ぶものをやっていきます」
1位だからといってファンの望まないカードを組むより、各団体同士で“真の最強挑戦者”を決めさせるのも一手という。オリビエリ会長は「指名試合の相手が誰なのか加味しないといけません。どのように選んでいくか。互いに利益を得るようにしたい。指名試合がいまだに存在するのは挑戦者の選び方に問題があるからです。ファン、プロモーター、団体の全員に利益がないといけません」と繰り返した。
直近の井上で言えば、昨年5月のルイス・ネリ(メキシコ)はWBC1位の指名挑戦者。最終的に相手の負傷で延期にはなったが、サム・グッドマン(オーストラリア)もWBOとIBFの指名挑戦者だった。仮にオリビエリ会長の新プランが現実になれば、無理に1位選手との試合を組む必要はなく、ファンや選手の望むカードが実現しやすくなる。
(THE ANSWER編集部)
