女子マラソン終了直後に倒れ込み…「もう動かない」 10位ほろ苦デビュー五島莉乃「難しいな」
9月の東京世界陸上代表選考を兼ねた名古屋ウィメンズマラソンが9日、バンテリンD発着の42.195キロで行われ、パリ五輪の1万メートル代表の五島莉乃(資生堂)は2時間26分8秒で10位。ほろ苦いマラソンデビューに「マラソンは難しいですね」と話した。シェイラ・チェプキルイ(ケニア)が2時間20分39秒で優勝。

名古屋ウィメンズマラソン
9月の東京世界陸上代表選考を兼ねた名古屋ウィメンズマラソンが9日、バンテリンD発着の42.195キロで行われ、パリ五輪の1万メートル代表の五島莉乃(資生堂)は2時間26分8秒で10位。ほろ苦いマラソンデビューに「マラソンは難しいですね」と話した。シェイラ・チェプキルイ(ケニア)が2時間20分39秒で優勝。
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足も気持ちもついていかなかった。序盤は、有力選手が揃う先頭集団でレースを進めた五島だったが、15キロ過ぎの給水地点で集団に戻り切れず、苦しい展開に。必死にトップを追いかけたが、差を縮めることができず、10位(日本人5番手)だった。ゴール直後はその場に倒れ込むほど疲弊。「足は初めての感覚で、もう動かないです……」と苦笑いした。
初の42.195キロを「楽しかったとは今は言えないけど、この苦しさを乗り越えたからまた次はいい結果を出したいと思います」と前向きに振り返った。
昨年の日本選手権1万メートルでは、日本歴代6位の30分53秒31で初優勝。パリ五輪は18位となったトラックの第一人者も、フルマラソンは未知の領域。時に風速5メートル以上を記録した向かい風や30キロを過ぎて襲い掛かる激坂、外国人が揃う集団での走りなど、マラソンならではの条件に苦しめられ、「やっぱりマラソンは難しいなと思いました。本番を走ってみないと味わえない苦しさがあった」と収穫を得た。
所属先には東京、パリ五輪で2大会連続女子マラソン代表となった同い年の一山麻緒が在籍。大会前には、2020年大会を制した同僚からアドバイスをもらい、万全の状態で乗り込んできた。
今大会では佐藤早也伽が、一山がマークした日本人の大会記録2時間20分29秒以来となる2時間20分台を記録し、世界陸上代表を大きく手繰りよせた。一山を身近なお手本としてきた五島にとっても、「凄い壁というか、もっと強い選手たちと比べると全然まだまだだなと感じました」と、トップレベルの高さを痛感した。
「30キロまで余裕をもって走らないと勝負できないと思うので、次はもっと上のレベルで戦いたいなって思います」。最後は冷静に力を分析。初マラソンでの悔しい経験を糧に、更なる進化を目指す。
(梅本 タツヤ / Tatsuya Umemoto)
