「日本の投手は一つではないんです」 ただ1人、安打したオランダ選手が語る“手を焼く理由”
野球日本代表「侍ジャパン」は5日、京セラドーム大阪で「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」を戦い、オランダ代表に5-0で快勝した。6投手のリレーで、オランダ打線をわずか1安打に封じる完封劇。国際試合でいつも相手国に恐れられる日本の投手陣は、なぜ攻略が難しいのか。この日唯一の安打を放ったドウェーン・ケンプ外野手に聞いた。

日本の投手に海外選手が戸惑うわけ「同じストレートでも…」
野球日本代表「侍ジャパン」は5日、京セラドーム大阪で「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」を戦い、オランダ代表に5-0で快勝した。6投手のリレーで、オランダ打線をわずか1安打に封じる完封劇。国際試合でいつも相手国に恐れられる日本の投手陣は、なぜ攻略が難しいのか。この日唯一の安打を放ったドウェーン・ケンプ外野手に聞いた。
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オランダは日本先発の宮城(オリックス)に、3回まで走者を1人も出せずに終わった。「5番・左翼」で先発したケンプも、2回1死の打席では150キロの直球に空振り三振に終わった。5回先頭で迎えた第2打席、代わった橋本(中日)から左翼フェンスを直撃する二塁打。7回の第3打席は4番手の今井(西武)の前に遊ゴロに終わった。
「一言で言うと、日本の投手が非常に良かった。明日はしっかりとセットアップして、勝っていきたい」と脱帽したケンプ。侍ジャパンは昨年3月、欧州代表との強化試合でも、走者を1人も出さないパーフェクト継投を演じている。日本の投手が、そこまで難敵となる理由はどこにあるのだろうか。
「日本の投手は、投げるモーションが一つではないんです。毎回調整して、トライしないといけない。色々なタイミングでボールを投げてくる。同じストレートでもね」
日本の投手が当たり前のように使う、投球モーションをわずかに変えて打者のタイミングをずらす技術に手を焼くのだという。さらに投手ごとにその形は違う。この日のように小刻みな継投ともなれば、いくつものパターンに合わせようとしているうちに試合が終わってしまうのだろう。
橋本からの二塁打は「しっかりと見極めて、狙ったボールが来たから振った」結果だった。初球、真ん中に近いところの148キロストレート。まっすぐ一本で待てば、高速化が進む日本の投手の球速に力負けしないだけのパワーは備えている。

来春に迫ったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では投球数に制限がある。必ずこの日のように、小刻みな継投となる。ケンプの証言を聞く限り、日本投手の優位は当面動くことはなさそうだ。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
