バンタム級世界戦線の展望が明らかに

　ボクシングのWBC世界バンタム級王者・中谷潤人（M.T）が25日、3度目の防衛成功から一夜明け、都内で会見した。前夜は東京・有明アリーナで同級6位ダビド・クエジャル（メキシコ）に3回3分4秒KO勝ち。ダウン経験がない全勝挑戦者をぶっ倒した愛称「ビッグバン」通りのド派手な試合を振り返り、6月に期待される統一戦へ意欲を語ったほか、バンタム級世界戦線の方向性が明らかとなった。

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　中谷は傷のない顔で涼しく会見。試合後にはIBF王者の西田凌佑（六島）がリングに上がり、両者とも対戦を約束した。この日、WBC王者は「このバンタム級で統一王者になりたいと思っている。そこに向けてしっかり成長していきたい」と次を見据えた。

　マッチメークに携わる興行主の帝拳ジム・本田明彦会長も取材に応じた。西田はIBFから指名試合を義務付けられているため、「IBFが指名試合をやると言えば、中谷選手とはできません」と踏まえた上で「指名試合がなくなれば」と統一戦承認の可能性もあるという。その場合は6月開催が計画されている。

　一方、前夜はWBA王者・堤聖也（角海老宝石）が同級4位・比嘉大吾（志成）に引き分けて初防衛に成功。アントニオ・バルガス（米国）が暫定王座に就いているため、WBA次第で団体内統一戦になるが、昨年10月に下した井上拓真（大橋）との再戦の可能性もあるという。しかし、比嘉戦のダメージが大きいため、6月の中谷や那須川天心（帝拳）の興行には入らない見込みとした。

　前夜は、那須川も前WBO王者ジェーソン・モロニー（オーストラリア）に3-0の判定勝ち。6月に世界ランカーを下せば、「準備にかかります」と11月頃に世界挑戦させる方針を明かした。世界王者になってからの対戦を約束したWBO王者・武居由樹（大橋）は延期した初防衛戦をクリアした後、指名試合が濃厚となっているという。