初マラソンで学生新記録も「目指すのは三大駅伝」 青学大・黒田朝日、亡き友と共に駆けた42.195kmから箱根連覇へ
9月の東京世界陸上男子代表選考を兼ねた大阪マラソンが24日、大阪府庁前スタート、大阪城公園内ゴールの42.195キロで行われた。イフニリグ・アダン(エチオピア)が2時間5分37秒で優勝。初マラソンだった黒田朝日(青学大)は日本学生マラソン歴代最高となる2時間6分5秒の好タイムで日本勢3番手の6位に。快走にも「自信になった今回のレースを今年1年に繋げていきたい」と語った。

大阪マラソン
9月の東京世界陸上男子代表選考を兼ねた大阪マラソンが24日、大阪府庁前スタート、大阪城公園内ゴールの42.195キロで行われた。イフニリグ・アダン(エチオピア)が2時間5分37秒で優勝。初マラソンだった黒田朝日(青学大)は日本学生マラソン歴代最高となる2時間6分5秒の好タイムで日本勢3番手の6位に。快走にも「自信になった今回のレースを今年1年に繋げていきたい」と語った。
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無欲で走りぬいた。30キロ地点まで日本記録を上回るハイペースを刻む展開だったが、黒田は序盤から積極的なレース運びを展開。32キロ付近では先頭集団を引っ張るシーンも見られた。終盤にはトップ争いから脱落したものの、今年の箱根駅伝2区で7人抜きを見せた快走そのままに、大学の先輩である若林宏樹が今月2日にマークした学生記録2時間6分7秒を2秒塗り替えた。
ゴール直後には「もう走りたくない! きつかったです」と振り返った初マラソンだが、「普段のレースと変わらず、いつも通りの感じで試合に臨めたと思います」と自然体での挑戦を強調。今後の目標に関しても「学生である以上、やっぱり目指すところは三大駅伝で活躍することになるので、自信になった今回のレースを今年1年に繋げていきたい」と“本業”での連覇へ意欲を燃やした。
レース前には、若林からLINEで「楽しんで」と連絡をもらった。併せて給水や場所取りについてのアドバイスを貰ったというが、その甲斐もあって若林超えを達成し「若林さんが走ったということは自分にもできると思って、自信をもってスタートに立てた。とりあえず記録では超せたので良かったと思います」とニヤリと笑った。
初マラソンで2時間6分台をマーク。マラソンでの活躍へ周囲の期待は高まるばかりだが、「別にタイムにこだわりがあったわけではないので」と本人はどこ吹く風。世界陸上の代表争いにも「世界にこだわってやりたい訳ではない」とキッパリだ。
悪性リンパ腫を公表し、今月19日に亡くなった同級生・皆渡星七さんの名前をシューズに刻み、亡き友の想いを背負って快走した。将来的なマラソン挑戦にも「どうなるかわからないですが、自分のやりたいようにやりたい」と答えた黒田。快挙の初マラソンもあくまで通過点。フレッシュグリーンの新主将を担う黒田の目は、常に“次”を見据えているようだ。
(梅本 タツヤ / Tatsuya Umemoto)
