対照的に比嘉は笑顔「よし、世界戦だ」

　ピリピリとした悲壮感を漂わせた王者とは対照的に、比嘉は笑顔が多かった。「上手く落とせましたね」とフライ級時代に苦しんだ減量も順調にクリア。「互いに上手く仕上がっていると思う。（堤の）減量はきつそう。顔が小さくなっていた。でも、いい顔をしていましたね」と歓迎し、高揚感を溢れさせた。

「世界戦だから、やっぱり気持ちは違いますよね。ノンタイトルからやるのと。『よし、世界戦だ』というこの嬉しい気持ちはあります」

　堤が鍵に挙げた序盤の出方について「ちょっと読めない。自分の体と“ない頭”に当日は任せます」と煙に巻いた。「初回から12回まで気を抜けない相手。俺は初回からしっかり気合を入れていきます。結果は1/2。赤か黒かです。緊張感を持ちつつ試合を楽しみたい」と精悍な顔つきで会場を後にした。

○…同興行では、WBC世界バンタム級王者・中谷潤人（M.T）が同級6位ダビド・クエジャル（メキシコ）と3度目の防衛戦を行う。WBOアジアパシフィック（AP）同級王者・那須川天心（帝拳）は、119ポンド（約53.98キロ）契約ノンタイトル10回戦で前WBO同級王者ジェイソン・モロニー（オーストラリア）と対戦。他の同級世界王座はIBFに西田凌佑（六島）、WBOに武居由樹（大橋）が就き、日本人が主要4団体を独占している。