興行はAmazon プライム・ビデオで生配信

　ボクシングのダブル世界戦＆那須川天心（帝拳）戦興行が24日、東京・有明アリーナで行われる。22日は都内で出場選手たちが会見。WBOアジアパシフィック（AP）バンタム級王者・那須川は同級ノンタイトル10回戦で、前WBO世界同級王者ジェーソン・モロニー（オーストラリア）と対戦する。「挑戦は早い」と前世界王者の忠告に対し、「舐めてもらっちゃ困る」と応戦した。戦績は26歳の那須川が5勝（2KO）、34歳のモロニーが27勝（19KO）3敗。

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　那須川はメキシコ選手3人らと100回以上のスパーリングを重ね、右ジャブの精度アップを徹底してきた。この日はボクサー転向6戦目で過去最強の相手と対面。名前を紹介されると両腕で力こぶをつくり、前世界王者を横目に心境を明かした。

「僕は世界に挑戦できるか、できないかの立ち位置。自分の中では常に一番と思っている。じゃなきゃ格闘技をやっている意味がない。今回、狼煙を上げないと意味がない。狼煙をしっかり上げればどうにかなるかなと思います」

　那須川はWBA2位、WBC3位、WBO3位、IBF13位と主要4団体全てで世界ランク入り。陣営は今年秋以降のプロ8～10戦目に世界初挑戦させることを想定してきた。一方、モロニーは18日の公開練習で「6試合目で前世界王者と戦うのは大きなチャレンジ。彼にはこの挑戦が早かったとわからせてあげたい」と忠告。那須川は会見後の取材で歓迎の姿勢を見せながら応戦した。

「記事は読みましたよ。どう考えても早いと思うし、でもそれ以上のものを作ってきた。舐めてもらっちゃ困るんで。全部ぶつけにいく。相手に対して燃える試合はこれまであまりなかった。初めてですね。毎日ワクワクできている」

　モロニーも会見で「キャリア最重要の試合。だからしっかりトレーニングをして、やれることをやった」と覚悟の決まった様子。那須川は「そう来て（強気に来て）もらわないと困る。過去最大の試合と言っているところを跳ね返したい」と笑顔を見せた。会見、写真撮影などでは一度も目が合わなかったという。

「闘志を感じた。目も合わない。思うところがあるのかなと。自分はいつも（相手の目を）見るけど、こっちを見るそぶりもなかったし、『スゲーいいじゃん！』って思いました。自分も今まで以上に落ち着いている。試合前だけど燃えすぎない。内なる炎というか、青い炎。いろんなところに気を配れている」

　モロニーは2020年10月に井上尚弥（大橋）に7回KO負け。再起後5連勝で23年5月に世界王座に就いた。初防衛後、昨年5月に東京Dで武居由樹（大橋）に判定負けし、王座から陥落。今回が再起戦となる。「ボクシング界を賑わせる試合」と語った那須川。他のバンタム級王者に向けた意気込みを求められ、「ここまで来たぞというのを今回の試合で見せないといけない」と勝利を誓った。

○…同興行では、WBC世界バンタム級王者・中谷潤人（M.T）が同級6位ダビド・クエジャル（メキシコ）と3度目の防衛戦を行う。WBA世界同級王者・堤聖也（角海老宝石）が、元WBC世界フライ級王者でWBA世界バンタム級4位・比嘉大吾（志成）と初防衛戦。他のバンタム級王座はIBFに西田凌佑（六島）、WBOに武居由樹（大橋）が就き、日本人が主要4団体を独占している。