ダルビッシュとの間にあった“因縁”

　パドレスのダルビッシュ有投手が新戦力獲得において、懐の深さを見せた。チームは今季に向けて、ロイヤルズからFAになっていた40歳のユリ・グリエル内野手を獲得。過去にダルビッシュが因縁のある選手とあって球団側も慎重な動きを見せていたが、最終的にはダルビッシュの了承を取り付けたという。米紙が伝えている。

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　2014年にはDeNAでプレーし、アストロズ時代の2021年には首位打者のタイトルも獲得したグリエル。2017年ワールドシリーズでは、当時ドジャースの所属だったダルビッシュから本塁打を放った。直後にダグアウトで両目を吊り上げる仕草を見せながら、スペイン語で人種差別ともとれる発言。そのシーンは中継でも流れ、翌年の開幕から5試合の出場停止処分を受けた。

　DeNA退団後は亡命を経てアストロズ入り。そしてダルビッシュへの侮辱行為という“お騒がせ男”だけに、パドレス側の動きは慎重だったよう。米カリフォルニア州地元紙「サンディエゴ・ユニオン・トリビューン」は「ユウ・ダルビッシュはパドレスに、チームがユリ・グリエルと契約しても問題ないと伝えた」との見出しで、ケビン・エイシー記者の署名記事を掲載した。

　本文では「彼との契約はユウ・ダルビッシュの承認を得て行われた」と記され、「（GMの）A.J.プレラー氏は昨年12月に最初にグリエルについてダルビッシュに確認をした。これは少なくとも3度目のうちの1度目だった。パドレスの野球編成本部長（プレラー）は、キャリアの中で最も尊敬しているダルビッシュに、グリエルをチームに加えることに問題がないか確認したいと考えていた」とダルビッシュとの因縁を気にする動きがあったことを伝えている。

　この件についてダルビッシュは不問に付しているようで、無事に契約締結の運びとなった。グリエルは現地18日、アリゾナ州ピオリアで行われているパドレスのキャンプに合流。記事では「グリエルは火曜日のメディアの取材可能な時間内には健康診断が終了しなかった。彼は水曜日に発言をする予定」と現地19日に会見を行うもようだ。