王座防衛より「誰とやるか」 中谷潤人らと統一戦も期待、王者・堤聖也「守るのが目的じゃない」

心の強化も着々「極限の中でやるうちにできていく」
比嘉といえば、WBC世界フライ級王者時代にデビューから15戦連続KO勝利の日本記録を打ち立てたボクサー。2人は20年10月に対戦し、堤の0-1(94-96、95-95×2)で引き分けだった。比嘉は昨年9月にWBO王者・武居由樹に挑戦し、判定負け。一度は引退を決めたが、堤戦が舞い込んで翻した。
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堤を指導する石原雄太トレーナーは「打ち合いは必須」と激闘想定。パンチの打ち分け、防御を徹底強化してきた。「堤のボクシングにトライしていくという、挑戦者の気持ちを忘れないのが一番。鍵は気持ちで負けないこと」と背中を押した。
堤は比嘉について「超攻撃型アウトボクサー」と表現。対戦経験があるだけに「足を使ってもうまいし、速いし、爆発力、パワーも十分にある。強い選手」と最大級の警戒感を示した。スパーリングは100回以上を消化。「試合に向けて、心をどんどんつくれてきている」と鋭利な感覚を研ぎ澄ませた。
「練習の中でできていくものが多い。実際にきつい局面に行った時に生まれる自分の心との勝負。前回の拓真戦は凄く準備してそれをつくったけど、一度つくれたものをもう一回同じようにできるかというと凄く難しい。またハードなトレーニングをしてつくっていく。
つくれていると思っているものも、実際にできてないこともある。準備の中で本当に究極の状況まで自分を持っていって、心がつくられていくものだと思ってます。極限の中でやっていくうちにできていく。僕が巻き起こすサイクロンのようなボクシングを見ていただきたい」
抜かりなく調整を続け、リングに嵐を呼ぶ。
(THE ANSWER編集部)