米国の記者を“破産危機”にした日本の誘惑 「もう買わない」決めたそばから購入した侍Jグッズ
スポーツが国境を越えて人を繋げる。11月に行われた野球の「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」では、国際大会ならではの交流がいくつも生まれた。それはグラウンド上に限らない。
プレミア12取材後に向かったのは神宮のバッティングセンター
スポーツが国境を越えて人を繋げる。11月に行われた野球の「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」では、国際大会ならではの交流がいくつも生まれた。それはグラウンド上に限らない。
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東京ドームで意気投合したアメリカの記者と、大会終了後に向かったのは都内のバッティングセンター。野球談議に花を咲かせたひと時を前後編でお届けする。(前後編の前編、取材・文=THE ANSWER編集部・鉾久 真大)
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11月25日、黄色い絨毯が広がる明治神宮外苑のイチョウ並木。クリスマスマーケットが開催されている聖徳記念絵画館前まで歩を進めると、待ち合わせていた人物を見つけた。MLB公式サイトのマイケル・クレア記者だ。
昨年3月、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)東京ラウンドの取材で来日。味わった日本のスナック菓子やコンビニスイーツなどをSNSでユニークに発信し、日本の野球ファンにも知られる存在になった。
立派なあご髭に黒縁メガネ。頭には巨人の「YG」帽を被っている。プレミア12取材の合間に東京ドームで購入したものだ。
「破産しそうだよ」
冗談めかして笑うクレア記者にとって、日本は誘惑が多すぎた。
プレミア12の取材で東京に来てすぐ、日本製のデニムジャケットを入手。コンビニではたまごサンドを中心に、様々な味に挑戦した。
巨人、DeNAのユニホームも購入。侍ジャパンの一員だった戸郷翔征投手、牧秀悟内野手のものだ。各国の野球グッズ集めが趣味で「(売店は)夢のような場所だったけど、お財布にとっては悪夢だね」と複雑な表情を浮かべる。
筆者とはWBCマイアミラウンド以来、約20か月ぶりの再会。「行ってみたいんだ」とリクエストされたのが、明治神宮外苑のバッティングドームだった。
まずは2人で周辺を散歩することに。明治神宮野球場を指して「あれがスワローズの本拠地だよ」と説明すると、「ということはグッズショップもある?」とクレア記者は目を輝かせた。
まだ買う気なのか――。幸か不幸かその日は休業日。落胆と安堵が入り混じったため息が漏れた。