那須川天心、世界王者・武居のラブコールに慎重姿勢 「もう少し待って。気長にいきましょうよ」
ボクシングのWBA、WBC世界バンタム級3位・那須川天心(帝拳)が2日、都内の所属ジムで練習を公開した。14日に東京・有明アリーナでWBOアジアパシフィック(AP)バンタム級王座決定戦10回戦を予定。同級2位ジェルウィン・アシロ(フィリピン)と対戦する。ボクシング転向5戦目で初の地域タイトル戦をクリアすれば世界挑戦が見えてくるが、これまで通り慎重姿勢を示した。興行はAmazon プライム・ビデオで生配信される。戦績は26歳の那須川が4勝(2KO)、アシロが9勝(4KO)。
那須川天心がボクサー転向5戦目へ
ボクシングのWBA、WBC世界バンタム級3位・那須川天心(帝拳)が2日、都内の所属ジムで練習を公開した。14日に東京・有明アリーナでWBOアジアパシフィック(AP)バンタム級王座決定戦10回戦を予定。同級2位ジェルウィン・アシロ(フィリピン)と対戦する。ボクシング転向5戦目で初の地域タイトル戦をクリアすれば世界挑戦が見えてくるが、これまで通り慎重姿勢を示した。興行はAmazon プライム・ビデオで生配信される。戦績は26歳の那須川が4勝(2KO)、アシロが9勝(4KO)。
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初のタイトルマッチへ、またも確かな成長を見せた。WBO・AP同級1位の那須川はスパーリングでWBO2位クリスチャン・メディナ(メキシコ)と対峙。前に出る相手に対し、ステップで円を描きながらいなすと、上半身の動きで牽制を入れた。相手に警戒心を与え、自分の攻撃に繋げていく。的確なパンチを当て、3回計9分間で主導権を握り続けた。
「前回の試合前と全然違う。今までは相手が来たところに合わせていたけど、今は相手を導いている。導いて自分の攻撃を当てる。自分で相手を動かして制する感じです。まだ完璧じゃないけどできている。相手は僕と戦うと、必然的に手が出なくなると思う。どうすればいいかわからなくなる。マジックじゃないですけど」
同級では13日にWBA王者・井上拓真(大橋)がWBA2位の元日本王者・堤聖也(角海老)と3度目の防衛戦を行い、14日にWBC王者・中谷潤人(M.T)が2度目の防衛戦に臨む。IBFに西田凌佑(六島)、WBOに武居由樹(大橋)が就き、全4つの王座を日本人が独占中だ。
9月3日に初防衛に成功した武居は勝利後のリングで那須川の次戦勝利を願い、「やりたい気持ちが強い」と将来的な対戦希望を明かした。ともにキックボクシングからの転向組でファンの望むカードでもあるが、那須川はまだ5戦目。これまで陣営とともに早期の世界挑戦には否定的だった。少しずつ階段を上っていく方針のため、この日も王者の“ラブコール”に慎重な姿勢を貫いた。
「チャンピオンからそう言ってくれる。前回、僕がああいう勝ち方をしていないと言われなかったと思う。でも、まだ5戦目ですし、(2月の年間表彰式で)新鋭賞をもらったばかり。『ゆっくり焦らない、焦らない。気長に行きましょうよ。まだまだ強くなるので、もうちょっと待ってください』という感じですね」
昨年4月にボクシングデビューし、世界ランカー対決となった今年7月の4戦目はノンタイトル10回戦で3回TKO勝ち。これまでネット上を中心に実力に懐疑的な声があったが、圧勝で払拭した。現在の世界ランクはバンタム級でWBA3位、WBC3位、WBO12位につけ、勝てば世界挑戦に近づく。
今回はボクサー転向後最軽量のバンタム級(53.5キロ)。「気を抜いてない。そことの勝負もあるけど、問題ない」と強調。初のタイトル戦にも「意識は何もしていない。とにかく世界を獲るまでの切符が必要。その手段でしかない」と冷静に語った。
相手のアシロは「Gladiator(戦士)」の愛称を持つ9戦全勝(4KO)の強豪。7月にWBOオリエンタル王座を獲得した。那須川は「ディフェンスが強いし、カウンターもある。見えないパンチを打とうと思う。他の人が打たないパンチ。他の人にないステップ、踏み込みで制していきたい」と思い描いた。
13日と合わせ、異例の2日連続世界戦興行。1イベント7試合の世界戦は日本初となる。興行名はこれまでの「Prime Video presents Live Boxing」から「Prime Video Boxing」に改称され、第10弾として行われる。
【13日の対戦カード】
▽WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者・井上拓真(大橋)
VS
同級2位・堤聖也(角海老宝石)
▽WBC世界フライ級王座決定戦12回戦
同級1位・寺地拳四朗(BMB)
VS
同級2位クリストファー・ロサレス(ニカラグア)
▽WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦
王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)
VS
同級8位タナンチャイ・チャルンパック(タイ)
▽WBO世界ライトフライ級王座決定戦12回戦
同級1位・岩田翔吉(帝拳)
VS
同級2位ハイロ・ノリエガ(スペイン)
【14日の対戦カード】
▽WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
王者・中谷潤人(M.T)
VS
同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)
▽WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦
王者・田中恒成(畑中)
VS
同級6位プメレレ・カフ(南アフリカ)
▽WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦
王者アンソニー・オラスクアガ(米国)
VS
同級1位ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)
▽WBO・APバンタム級王座決定戦10回戦
同級1位・那須川天心(帝拳)
VS
同級2位ジェルウィン・アシロ(フィリピン)
(THE ANSWER編集部)