あと2mで失格の悲劇 苦しむガイド助けて銅逸のパラ女子マラソン選手が心境吐露「打ちのめされた」
パリ・パラリンピックは8日、陸上マラソン女子の視覚障害T12が行われ、フィニッシュまであと数メートルで銅メダルから失格となるドラマが生まれた。選手は「打ちのめされている」と明かしたことを英紙が伝えている。
パラリンピック・マラソン女子
パリ・パラリンピックは8日、陸上マラソン女子の視覚障害T12が行われ、フィニッシュまであと数メートルで銅メダルから失格となるドラマが生まれた。選手は「打ちのめされている」と明かしたことを英紙が伝えている。
ガイドとテザーを持って走る視覚障害T12。フィニッシュラインに迫ったエレナ・コンゴスト(スペイン)は最後まで力強く走るも、隣の男性ガイドが苦しそうな脚運び。ゴールまであと数メートルの地点で転びそうになると、コンゴストはテザーを一瞬手放してガイドの腕に手を当てた。もう一度テザーを持って一緒に3番目でゴール。歓喜の瞬間となるはずだった。
英紙「デイリー・メール」は「パラリンピックのマラソンランナー、エレナ・コンゴストがフィニッシュラインからわずか2メートルで銅メダルを逃し失格となる悲劇に見舞われた」との見出しで記事を掲載。視覚障害T12では、テザーを介してガイドと常時繋がっていなければいけないと規定されているために、コンゴストが失格になったことを伝えた。
記事では、スペイン紙「マルカ」にコンゴストが語った失格後のコメントを紹介。「私がズルではなく、誰かが倒れそうになった時に咄嗟に出る、その人を助けようとする自然な反応で失格になったことを知って欲しい。正直に言って、私は打ちのめされている。メダルを手中に収めていたのだから」と失望を隠せないようだった。
コンゴストは「やったことすべてを誇りに思っている。最終的に、残り10メートルで隣の人が顔から倒れそうになったために一瞬ロープを離したことで失格にされた。私はロープを再び握りなおしてフィニッシュした。後ろとは3分離れていたから、隣で倒れそうになった人を支えようとする、人間ならだれでも持っている反応だった」と語っていた。
4番目でゴールした道下美里が銅メダルに繰り上がり。銀メダルを獲得したリオデジャネイロ大会、金メダルを獲得した東京大会に続く、3大会連続メダルとなった。
(THE ANSWER編集部)