井上尚弥「未完成。もっと上を目指す」 2度目の4団体防衛、年内東京で1試合&25年ラスベガス開催へ
ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は3日、東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)との4団体防衛戦で7回0分16秒TKO勝ちした。世界戦通算23勝の現役世界最多タイ記録、世界戦9連続KO勝ちで日本記録を更新。前日計量から11キロも増量したドヘニーと拳を交え、会場を沸かせた。戦績は31歳の井上が28勝(25KO)、37歳のドヘニーが26勝(20KO)5敗。
世界スーパーバンタム級4団体防衛戦
ボクシングの世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は3日、東京・有明アリーナで元IBF世界同級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)との4団体防衛戦で7回0分16秒TKO勝ちした。世界戦通算23勝の現役世界最多タイ記録、世界戦9連続KO勝ちで日本記録を更新。前日計量から11キロも増量したドヘニーと拳を交え、会場を沸かせた。戦績は31歳の井上が28勝(25KO)、37歳のドヘニーが26勝(20KO)5敗。
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1万人規模の客席は大熱狂でモンスターを迎え入れた。初回、前戦にダウンを喫しただけに冷静に入った井上。2回1分過ぎにジャブから右ボディーストレートを突き刺した。後ろ重心で消極的なドヘニーに徐々に攻勢を強め、6回は上下の打ち分けやボディーを着弾。7回にコーナーで連打を浴びせた。すると。ドヘニーが腰付近を押さえながらノロノロと歩き、ゆっくりと膝をついてダウン。TKOが決まった。
突然の幕切れに会場では「えー!」と叫ぶ人も。ドヘニーはコーナーに用意された椅子にもまともに座れていなかった。リングインタビューで井上は「ダメージは少なからず、蓄積はあったと思う」と分析。「内容、結果として満足するような、期待するような試合内容ではなかったと思いますが、長く試合をしていればこういう試合もあるということで、次に期待してもらえればと思う」と振り返った。
2度目の4団体防衛成功となったが、自身の技術について「未完成だと思うし、決して今日の内容というのは自分のできの悪さではなく、ドヘニーのキャリア、試合運びのうまさがこういう内容にさせたと思う。もっともっと上を目指して頑張りたい」と話した。
リングには共同プロモート契約を結ぶ米興行大手・トップランク社のボブ・アラムCEOも上がり「年内にもう一試合、東京で試合をして、来年にはラスベガスで大きなイベントを開催したい」と発言。会場の拍手を浴びた。井上は「引き続き、期待して応援してくれたら嬉しい」とファンに呼び掛けた。
スーパーバンタム級4試合目の井上は、5月に東京Dでルイス・ネリ(メキシコ)に6回TKO勝ちして以来2度目の4団体防衛戦。自身が2019年5月に記録した8試合を上回る世界戦9試合連続KO勝ちと、井岡一翔を上回る世界戦通算23勝の日本人最多記録が懸かっていた。23勝は元世界ミドル級3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)と並ぶ現役世界最多でもある。
オーストラリア在住のドヘニーは、アイルランド国籍を持つ37歳のサウスポー。18年8月にIBF王者・岩佐亮佑に判定勝ちし、19年4月の2団体王座統一戦で陥落した。今年5月の井上―ネリ戦で不測の事態に備えたリザーブとして待機したが、出番はなく別の選手に勝利。これまで対日本人は3戦3勝の日本人キラーとされ、過去4敗のうちKO負けはなかった。
この日は前日計量から11キロ重い66.1キロでリングイン。前日55.3キロだった井上は62.7キロで、挑戦者と3.4キロ差だった。井上の次戦は12月に国内でWBO&IBF1位サム・グッドマン(オーストラリア)が最有力とされ、来年は米ラスベガス開催が候補に挙がっていた。
(THE ANSWER編集部)