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桃田賢斗が3年ぶり日本一 “1年前の悪夢”を払拭「積み上げた自信を持ってできた」

昨年の悪夢を払しょくする優勝だ。3年ぶりの日本一が決まった瞬間、桃田賢斗(NTT東日本)は、両手でガッツポーズを作り、コートに跪いた。全日本総合バドミントン選手権は2日に駒沢体育館で最終日を迎え、男子シングルス決勝は、桃田が2-1(21-9、18-21、21-11)で西本拳太(トナミ運輸)を破って3年ぶり2度目の優勝を飾った。桃田は「昨年は(気合いの)声を出すのも、ガッツポーズをするのも(他人の目を気にして)、自分を出せずに負けた。今年は、何としても優勝したいという気持ちが強く、1年間で積み上げて来た自信を持ってプレーできた」と笑顔を見せた。

優勝を達成した桃田賢斗【写真:平野貴也】
優勝を達成した桃田賢斗【写真:平野貴也】

前回大会は謹慎明けの緊張感に苛まれて敗退「昨年は自分を出せずに負けた」

 昨年の悪夢を払しょくする優勝だ。3年ぶりの日本一が決まった瞬間、桃田賢斗(NTT東日本)は、両手でガッツポーズを作り、コートに跪いた。全日本総合バドミントン選手権は2日に駒沢体育館で最終日を迎え、男子シングルス決勝は、桃田が2-1(21-9、18-21、21-11)で西本拳太(トナミ運輸)を破って3年ぶり2度目の優勝を飾った。桃田は「昨年は(気合いの)声を出すのも、ガッツポーズをするのも(他人の目を気にして)、自分を出せずに負けた。今年は、何としても優勝したいという気持ちが強く、1年間で積み上げて来た自信を持ってプレーできた」と笑顔を見せた。

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 桃田は、2015年大会で初優勝。名実ともに日本一となり、翌年のリオデジャネイロ五輪へ大きな期待を受けていた。しかし、16年4月に違法賭博店の利用が発覚し、出場停止処分を受けて同年は欠場。昨夏に復帰したが、謹慎明けの緊張感に苛まれた前回大会は、準々決勝で敗退した。今大会は、優勝候補として堂々と大会に臨み、夏に世界選手権を制したハイレベルなプレーを見せ、周囲の期待に応える優勝を果たした。ファイナルゲームでは「相手の動きが完全に見えていた」と手ごたえを話したカット(ストレートへスマッシュを打つモーションから面を切り、逆サイドの手前に落とすショット)で7点目を奪取。相手が一歩も動けない、見事に逆を取るショットで世界一の技術を披露した。

 ただし、第2ゲームは、意地を見せる西本の粘りに苦しんだ。予兆は、あった。前日の準決勝、桃田は相手の常山幹太(トナミ運輸)が棄権したため試合がなく、もう一つの準決勝を観戦。「昨日、予想以上に西本のプレーのクオリティーが高く、ちょっとヤバいかもと怖さを感じた。ファイナルゲームは、飛ばしていてバテるんじゃないかと思っていたのに、最後までペースを保っていた」と脅威を感じたという。11月29日に発表された世界ランクで9位の西本は、同じ94年生まれの同期。仲間であり、ライバルだ。桃田が出場停止処分を受けた16年に優勝した西本にも意地がある。第2ゲームは、果敢に攻めて取り返した。桃田は「決勝戦のファイナルゲームは、何が起こるか分からない。なるべく行きたくない。勝ち急いで空回りした」と第2ゲームを振り返った。

 しかし、ファイナルゲームでは、力の差を見せた。最後はサーブからの3球目を渾身のクロススマッシュでたたき込んだ。世界一に輝き、日本一の座を取り戻した1年を経て、来季の五輪レースに向かう。軽率な行動で夢から切り離される苦しみを味わった男は「3年前は、試合や海外のトーナメントに出るのが当たり前と思う甘い自分がいた。今回は、色々な方に支えられてここまで来ることができた。この優勝で、支えて下さった方に一つ報告をできたかなと思う」と謙虚に話し、静かに次の目標を見据えた。

(平野 貴也 / Takaya Hirano)


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