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高橋沙也加、姉妹で東京五輪出場に夢つなぐ1勝「ラストチャンスのつもりでやろうと」

ラストチャンスの覚悟が、コートを支配した。全日本総合バドミントン選手権は30日に駒沢体育館で各種目の準々決勝を行い、女子シングルスの高橋沙也加(日本ユニシス)は、2-1(21-18、19-21、21-15)で大堀彩(トナミ運輸)を破った。同選手権は、来季の日本代表選出に大きく影響する。2020年東京五輪の出場権を争う五輪レースが来年5月から始まるため、五輪出場権を得るためには、まず来季のA代表入りが必要だ。今季、高橋はB代表、大堀はA代表。評価をひっくり返すために、勝利が必要な一戦で、高橋は「(五輪に向けた)ラストチャンスのつもりでやろうとチームの監督と話をして、一つの山だという話もコーチからあって『一人じゃなくて、みんなで戦うから』という言葉が心強かった。まず、目標としていたベスト4に来ることができて良かった」と背負っていた覚悟をのぞかせた。

高橋は大堀との左対決を制してベスト4に進出した【写真:平野貴也】
高橋は大堀との左対決を制してベスト4に進出した【写真:平野貴也】

来季のA代表入りへ勝利が必要な一戦、現A代表・大堀彩との左対決制す

 ラストチャンスの覚悟が、コートを支配した。全日本総合バドミントン選手権は30日に駒沢体育館で各種目の準々決勝を行い、女子シングルスの高橋沙也加(日本ユニシス)は、2-1(21-18、19-21、21-15)で大堀彩(トナミ運輸)を破った。同選手権は、来季の日本代表選出に大きく影響する。2020年東京五輪の出場権を争う五輪レースが来年5月から始まるため、五輪出場権を得るためには、まず来季のA代表入りが必要だ。今季、高橋はB代表、大堀はA代表。評価をひっくり返すために、勝利が必要な一戦で、高橋は「(五輪に向けた)ラストチャンスのつもりでやろうとチームの監督と話をして、一つの山だという話もコーチからあって『一人じゃなくて、みんなで戦うから』という言葉が心強かった。まず、目標としていたベスト4に来ることができて良かった」と背負っていた覚悟をのぞかせた。

 ともに日本の選手としては長身。左利きの攻撃的なスタイルだ。試合の序盤、高橋はネット前のコントロールミスで点を失う場面があったが、強気の姿勢を崩さなかった。持ち味である強打を打ち込み、上から打ち込むことのできない返球に対しても守らず、床と並行に近い軌道で飛ばすドライブで相手を追い込んだ。第2ゲームも優位に進めたが、終盤に19-19で追いつかれて逆転を許すと、クリアが連続でアウトになり、最後は上体をのけぞらせた姿勢で強引に上から打とうとしたショットがミスになった。ミスがないという試合ではなかったが、相手の大堀が「互いに攻撃が得意。なかなか攻めさせてもらえず、相手のミスでしか点が取れなかった」と話したとおり、高橋の攻撃的な姿勢は崩れず、ファイナルゲームは体力とプレーの連続性で上回り、試合を押し切った。

 高橋は、2016年のリオデジャネイロ五輪出場権を争っていた2015年の終盤に右ひざを痛めて手術。五輪を断念せざるを得なくなった。自身が出られなかった五輪では、姉の高橋礼華(日本ユニシス)が女子ダブルスの金メダルを獲得。嬉しさと悔しさを感じながらリハビリを行い、2020年を目標に負傷から復帰した。しかし、昨年は2回戦で敗れてA代表入りを逃し、今季はB代表。トップレベルで戦い続ける環境は得られなかった。東京五輪に出場するためには、来季のA代表に入り、現在の女子シングルスをけん引する山口茜(再春館製薬所)、奥原希望(日本ユニシス)を追いかけなければならない。

 姉の礼華も、リオ五輪後はモチベーションの部分で苦しみながら、東京五輪を目指している。大きなヤマ場を越えての4強入りで、リオで果たせなかった姉妹そろっての五輪出場に、可能性をつないだ。

(平野 貴也 / Takaya Hirano)


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