桃田、奥原にインターハイ王者が挑戦 世界王者の力に驚く「思った以上に差あった」
国内公式戦で戦う貴重な機会、越えれば世界のトップが見える環境に
女子で昨年の世界選手権を制した奥原に挑んだのは、バルセロナ五輪代表の水井妃佐子さんを母に持つ、インターハイ女王の水井ひらり(ふたば未来学園高)。序盤はペースをつかめずに圧倒されたが、少しずつ対応。第2ゲームでは、強打からクロスドロップにつなげて得点するなど持ち味を発揮した。0-2(12-21、14-21)で敗れたが「動くスピード、ショットの精度が全然違う。まだまだ、力が足りないと思った。自分も早く、奥原選手、山口茜選手(再春館製薬所)などトップの選手に並ぶ実力をつけたい」と強い刺激を受けていた。試合中に笑顔を見せていた理由を聞くと「同じところに決められて、分かっていて警戒しているのに、それでもまた同じところに決められた」とレベルを痛感させられていたことを明かした。
奥原は、高校時代に全日本総合を制した経験を持っており「相手は高校生だけど強い。今後の日本代表を背負っていく一人だと思っている。(ネットインショットを打たれても)何も動揺はしなかった」と涼しい顔で対応したが「失うものなく向かっていった当時を少し思い出した」と話し、若手からエネルギーを受けたようだった。
世界王者と高校王者が国内の公式戦で戦う。かつての日本では考えられなかった、貴重なシチュエーションだ。桃田、奥原以外にもリオデジャネイロ五輪で金メダルの高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)、今夏の世界選手権を制した松本麻佑、永原和可那組(北都銀行)を含めて直近3年の世界王者が全日本総合に出場している。次世代の選手にとって代表入りの壁は高くなっているが、越えれば世界のトップが見える環境になった。当面、東京五輪を目標とした戦いが注目されるが、次世代がどのような刺激を受けて成長するかも楽しみだ。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)