メドベージェワ、不振の演技を母国実況席はどう伝えた? 「耐えて、ジェーニャ!」
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦フランス杯で4位に終わった平昌五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)。ロシアの女王が初めて表彰台を逃した瞬間を、母国ではどう伝えられたのだろうか。同国の国営放送の実況、解説の様子に迫った。
ロシア国営放送では手拍子を送るフランスのファンに感謝も
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦フランス杯で4位に終わった平昌五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)。ロシアの女王が初めて表彰台を逃した瞬間を、母国ではどう伝えられたのだろうか。同国の国営放送の実況、解説の様子に迫った。
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ロシアの国営放送で解説を務めたのは、名伯楽のタチアナ・タラソワ氏。メドベージェワが演技を始めようと「私たちは(あなたの良い滑りを)待っていて、(あなたを)愛しています。(良い滑りを)期待しています」と祈るように語った。
冒頭のジャンプで着氷が乱れるなど、万全ではない状態を見たタラソワ氏は演技途中で「(彼女に)時間をあげてください」と口にし、新天地での練習環境の変化などに適応するのに時間がかかることへ理解を求め、演技後半に体力的に苦しい場面でのステップに合わせて手拍子するフランスの観客に対して「愛すべきフランスの観衆のみなさん、応援ありがとうございます」とロシアを代表するように感謝の意を表した。
さらにフィニッシュに向け、最後の力を振り絞って演技するメドベージェワに対して「会場は私たち(ロシア)の邪悪なジャーナリストたちのみで構成されていない。会場は(メドベージェワを)愛して、理解して、非難せずに、ともに体験する人々で構成されている!」とヒートアップ。演技終了後には、開口一番「耐えて、ジェーニャ!」とも叫んだ。
演技後には実況は「私たちは皆さんとともにすべてを見ました。思うに多くのミスがあったのも見ました。私はそれを今分析し、強調するのは意味がないと思います。私たちにとってジェーニャは女王です、2度の世界女王です」と母国の誇りだと強調した。