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女子ゴルフで1年越しのドラマ完結 V逸で号泣→同じ場所で初優勝、桑木志帆が流した全く違う涙

女子ゴルフの国内ツアー・資生堂レディスは30日、神奈川・戸塚CC西C(6697ヤード、パー72)で最終日が開催された。1打差2位で出た桑木志帆(大和ハウス工業)が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算11アンダー。悲願のツアー初優勝を挙げた。1年前にプレーオフの末に敗れ、初優勝を逃した悔しい記憶のある大会。当時の自身と重ね合わせてラウンドした最終日で雪辱を果たし、成長を示した。

悲願のツアー初優勝を挙げ、笑顔でトロフィーを掲げる桑木志帆【写真:Getty Images】
悲願のツアー初優勝を挙げ、笑顔でトロフィーを掲げる桑木志帆【写真:Getty Images】

資生堂レディス

 女子ゴルフの国内ツアー・資生堂レディスは30日、神奈川・戸塚CC西C(6697ヤード、パー72)で最終日が開催された。1打差2位で出た桑木志帆(大和ハウス工業)が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算11アンダー。悲願のツアー初優勝を挙げた。1年前にプレーオフの末に敗れ、初優勝を逃した悔しい記憶のある大会。当時の自身と重ね合わせてラウンドした最終日で雪辱を果たし、成長を示した。

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 溢れだしたのは、1年前とは全く違う涙だった。最終18番。桑木はウイニングパットを沈めると、黄色のボールを片手に両手を上げて2度ガッツポーズ。笑顔が弾けた。最後まで優勝を争った堀琴音(ダイセル)と健闘を称え合うと、込み上げるものを抑えられなかった。

「去年の自分と比較しながらラウンドした。メンタル面も技術面もかなり成長したと思う」

 1年前、首位で最終日を迎えたが、櫻井心那(ニトリ)とのPOに敗れて初優勝を逃した。勝者をハグで気丈に称えたものの、堪えきれず大号泣。「去年はマイナス思考になっていた。バーディー取らなきゃという気持ちが焦りに変わっていた」。成長を体現したのは最終18番の第3打だった。

 グリーン奥、左ラフからのアプローチショット。「入れようと思っていた」。パーセーブで安全策を取っても良い状況だったが、「去年はセーフティーに打って負けてしまったので、突き放すくらいの気持ちでやった」と強気を貫き、勝利を手繰り寄せた。

 あと一歩で優勝を逃してきた苦労人。今季もトップ10入りが7度と好調も、頂点には届かなかった。「今季は初優勝される方もいて悔しかった」。周囲が止めても辞めないほどの練習の虫。「自分はゴルフが上手いと思ったことがない」と人一倍自分にも厳しい。今年からトレーナーが隔週で帯同し、トレーニングにも精力的に取り組んだ。もどかしさを感じながらも突き進んできた21歳の努力がここに実った。

 この日のウェアはピンク。「赤にしようと思ったけど、優勝のブレザーと被るから」とちょっとした部分でも優勝を意識していた。次の目標は「2勝目」ときっぱり。大きな壁を乗り越え、更なる飛躍を誓った。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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