「心に来た」公開ダメ出しに一発回答「河村っぽいじゃないですか」 ホーバス監督も微笑む28得点
男子バスケットボールの世界ランク26位・日本代表は23日、北海道・北海きたえーるで国際強化試合に臨み、同5位のオーストラリア代表と95-95で引き分けた。89-90で逆転負けした22日の初戦に続き、パリ五輪を見据えた一戦。前日の記者会見でトム・ホーバス監督から愛ある公開ダメ出しを受けた河村勇輝は、両軍最多の28得点6アシスト。強い覚悟と責任を持って「成長が問われる」試合に臨んだ。
日本生命カップ2024
男子バスケットボールの世界ランク26位・日本代表は23日、北海道・北海きたえーるで国際強化試合に臨み、同5位のオーストラリア代表と95-95で引き分けた。89-90で逆転負けした22日の初戦に続き、パリ五輪を見据えた一戦。前日の記者会見でトム・ホーバス監督から愛ある公開ダメ出しを受けた河村勇輝は、両軍最多の28得点6アシスト。強い覚悟と責任を持って「成長が問われる」試合に臨んだ。
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一瞬の静寂の後。美しい弧を描いたボールがリングに吸い込まれた瞬間、6363人の張り詰めた空気が一気に爆発した。
92-95で迎えた最終クォーター(Q)残り19秒。河村が鮮やかなステップバックから放った3ポイントシュート(3P)は、身長172センチの自分より41センチも高い豪州選手が伸ばした手をすり抜けた。起死回生の同点劇。鋭い目つきに気迫が溢れた。
前日、9得点2アシストに終わった河村は、ホーバス監督から“愛のムチ”を受けた。報道陣の前で公開ダメ出し。「持ち合わせている力の少しも出せなかった」と唇を噛んだ23歳の司令塔は、一夜で奮起した。試合映像を何度も確認し、外でボールを回すだけになっていた点などを修正。積極的にリング下に切り込んで守備を引きつけ、キックアウトパスで味方を生かした。
ドライブを警戒されれば、外から3Pを放つ。8本中6本を沈めるなど両軍最多の28得点6アシストの大爆発だ。「昨日できなかったことをどれだけ修正してできるか。自分の成長が問われるものだった」。強い覚悟と責任を持って臨んだ一戦。「トムさんの言葉は心に来る。愛情のある監督だし、ついていきたいと思えるコーチ」。勝ちきれなかったことを悔やみつつ、指揮官の期待に応えた。
この日、試合後会見に河村は不在だったが、ホーバス監督は「河村っぽいじゃないですか。昨日反省して、バウンスバック(復活)。凄い良かったと思います」と微笑んだ。同じポジションでプレータイムを分け合う主将の富樫勇樹も「皆さんの(河村に対する)期待が凄く高いので、それを超えていくのは簡単なことではない。でも、彼にはそれができると思います」と厚い信頼を口にする。
2日間、何度も繰り出したフローターシュートはパリ五輪を想定したもの。同組のフランスでは、今季NBA新人王に輝いたビクター・ウェンバンヤマ(スパーズ)が出場意欲を示している。身長224センチ。52センチも高い相手に挑むために腕を磨く。「修正の積み重ねで大きく成長できる」。あくなき向上心を持った小さな巨人は、悔しさをバネにさらなる高みへ跳躍する。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku)