日本代表元主将が語る、なぜオールブラックスは強いのか― 「代表にかけている…」
オールブラックスの強さはどこにある
オールブラックスには独特の強さがある。それは世界一のプライドであり、培われて来た文化だという。決して大国ではないニュージーランド。その中でオールブラックスが積み上げられてきたキャリア、実績は他を圧倒している。
【特集】“欽ちゃん球団監督”片岡安祐美の今 2度の流産を経て母に…思春期の後悔「生理に見て見ぬふりを」
(W-ANS ACADEMYへ)
「団体スポーツで勝率が85%を越えている。世界中でそんなチームはありません。強さという事に関しては、ニュージーランドのラグビーが世界で一番と言われている。そんなチームに入ってくる選手は、おのずと能力が高い。オールブラックスは(ニュージーランド)国外に出てしまうと、代表になる資格がないんです。国内でやるしかない。海外に出てプレーすることは報酬の面では良くなるかもしれない。ただ、そういうものを捨ててでも、ニュージーランド代表というロイヤリティにかける選手が集まっている。世界中の憧れのチーム。それを自覚している。意識の低さが垣間見えるような選手は絶対に代表には入れないのです」
誇り高きオールブラックス。ただ今回の日本戦は主力がイングランド遠征のため、若手が中心のメンバー。代表初キャップとなる選手も数多くいる。日本代表にとってはチャンスだとみる向きもある。日本の勝機はどこにあるだろうか。
「まずはしっかりとディフェンスで止める。前に出てプレッシャーをかける。オールブラックスはパスをつなぐ能力も高い。一方で若い選手たちが若気の至りじゃないですけど、ちょっとしたパスミスだったり、ちょっとしたつながりのミスが出てくる。そこに付け込んで点数を重ねていくことが重要。相手のミスをいかにしてものにするか」
菊谷氏はどれだけ強いチームにも必ずミスは起きるものだという。そこを突くことに関しては、今のジェイミージャパンの戦術と一致する。
「基本的に今の代表のラグビーはキックを蹴ってプレッシャーかけて、ディフェンスも前に出て相手のミスを誘う。絶対にミスは何度か出る。ラグビーはミスが多いスポーツ。ミスがミスにならないのが強いチームの戦い方ではある。日本はしっかりと基本を徹底、作戦を遂行すること。ホームの地の利もある。相手のミスを誘う。一本トライ取る。そうなれば、想像以上に沸きます。ファンの後押しを受けながら戦えれば面白いと思います。勝つ確率はゼロじゃない。ワンチャンスあると思います」