負ければ26年の競技人生終了「今回は何が何でも」 土井レミイ杏利、ミス連発のスター軍団を救った一言【ハンドボール日本リーグPO】
ハンドボール元日本代表の土井レミイ杏利(34)が、ジークスター東京を勝利に導いた。ハンドボール日本リーグのプレーオフ(PO)が24日、東京・武蔵野の森スポーツプラザで開幕。レギュラーシーズン(RS)3位で3年連続POに進出したジークスターは第1ステージで同4位のトヨタ紡績九州と対戦。初戦の緊張からミスを連発するチームを救ったのは、キャプテン土井の一言だった。
ジークスター東京がトヨタ紡績九州に勝利
ハンドボール元日本代表の土井レミイ杏利(34)が、ジークスター東京を勝利に導いた。ハンドボール日本リーグのプレーオフ(PO)が24日、東京・武蔵野の森スポーツプラザで開幕。レギュラーシーズン(RS)3位で3年連続POに進出したジークスターは第1ステージで同4位のトヨタ紡績九州と対戦。初戦の緊張からミスを連発するチームを救ったのは、キャプテン土井の一言だった。
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過去2回出場したPOでは力を出し切れず、この日も初優勝を意識してか序盤から動きは今ひとつだった。「みんな自分がやらなければとボールを持ちすぎるなど、流れが悪かった」と佐藤智仁監督(39)。前半は点の取り合い、終盤に差をつけて16-13で折り返したものの、内容的には満足いくものではなかった。
ハーフタイム、土井が声をあげた。「みんな、もっと仲間を頼ろう。仲間を信用しよう」。佐藤監督は「土井の声掛けが大きかった。あれで、後半の動きがよくなった」と感謝した。日本代表の東江雄斗らのゴールで差を広げ、33-28で快勝した。
「今回は何が何でも優勝したい。そのために、できることは何でもする」。初の日本一を目指す土井の思いは強い。3年前の東京五輪直前、日本リーグの大崎電気から移籍した。日本リーグ参戦2年目のチームへの移籍が注目される中「このチームを日本一にするのが、自分の仕事」と言い切った。しかし、代表クラスの選手が次々と加入しても思ったように勝てず。日本リーグPOでは1勝もできなかった。
POに向けた会見では「何かと注目されるけれど、我々はまだ何も成し遂げていない」と話した。今年は日本代表勢の不在も長く、チーム作りが難しかった。東京五輪後に日の丸のユニホームを脱いだ土井ら元代表組、パリ五輪を目指す現代表組、将来の代表入りを目指す若手らでモチベーションはバラバラ。「それを一つにするのが自分の仕事。言っていかなければと思っています」と悲壮感さえ漂わせていた。
PO前の会見直後、今シーズン限りでの現役引退を発表した。最後の公式戦がPO。負けた時点で26年の競技人生が終わる。「念願の初優勝を達成するために力の限りを尽くします」というコメントには、タイトルへの強い気持ちが表れていた。
25日の第2ステージではRS2位のトヨタ車体と対戦する。RSでは2連敗している相手だが、ここで敗れれば初の決勝進出、そして初優勝もなくなる。「日本一になるためには、チームを1つにすることが大切」。寄せ集めの「スター軍団」をまとめて、キャプテン土井は最後の力を振り絞って頂点を目指す。(荻島弘一)
(THE ANSWER編集部)