桃田賢斗、世界1位が今感じている課題とは 「まだ自分には足りないと思った」
ハードなスケジュールの中で次戦からはアジアを転戦
桃田は、夏の世界選手権で優勝するなど、今季は、安定して好成績を挙げている。しかし、勝ち続けることは、相手の研究を促進し、疲労を蓄積することでもある。世界選手権では、相手に攻めさせてレシーブ力を生かす戦い方で頂点に立ったが、同じ戦い方はさせてもらえなくなっている。また、勝ち上がれば試合数が増え、疲れも溜まる。翌週のフランスオープンは、準決勝でストレート負け(18-21、8-21)。第1ゲームで競り負けると、第2ゲームは相手に付いていけなかった。桃田は「スピードを上げられなくなって、相手に主導権を握られて手も足も出なかった」と完敗を認めた。
それでも4強入りする実力は確かだが、高まる期待に応え続けるには、相手に付け入る隙を与えず、疲労も残さない戦い方で勝てる選手に進化しなければならない。11月6日からは福州で行われる中国マスターズに出場し、続けて翌週の香港オープンにも出場する。ともに、初戦の相手は、リン・ダン(中国)。桃田は「タイトなスケジュールで厳しいけど、ここで、全力でトライすることが自分の力になると思う。あと2週、できる限りのことを精一杯プレーに出せたらと思う」とBWFワールドツアーを戦い抜く覚悟を示した。レジェンドの仲間入りを果たすため、タフに戦い続ける力をつけ、絶対王者として頂点に君臨し続けるつもりだ。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)