「ここで出してくるか」 連覇狙うバスケ琉球、選手も驚いた“超ロースコア”決着を導いた奇策
バスケットボールB1リーグは年間優勝を決定するチャンピオンシップ(CS)がスタートし、初戦となるクォーターファイナルでは昨季王者の琉球ゴールデンキングスが敵地・有明コロシアムに乗り込み、アルバルク東京と熾烈な争いを繰り広げた。2戦先取・最大3試合が行われるシリーズで、琉球は10日に行われた第1戦を2度のオーバータイムの末に81-80で先勝するも、11日の第2戦に69-73で敗戦。そして1勝1敗で迎えた13日の運命の第3戦、連覇を狙う王者は「守備の徹底」で勝機をたぐり寄せ、58-57という“超ロースコア”の試合を制した。
CSクォーターファイナル第3戦、A東京に競り勝ち4強進出
バスケットボールB1リーグは年間優勝を決定するチャンピオンシップ(CS)がスタートし、初戦となるクォーターファイナルでは昨季王者の琉球ゴールデンキングスが敵地・有明コロシアムに乗り込み、アルバルク東京と熾烈な争いを繰り広げた。2戦先取・最大3試合が行われるシリーズで、琉球は10日に行われた第1戦を2度のオーバータイムの末に81-80で先勝するも、11日の第2戦に69-73で敗戦。そして1勝1敗で迎えた13日の運命の第3戦、連覇を狙う王者は「守備の徹底」で勝機をたぐり寄せ、58-57という“超ロースコア”の試合を制した。
それまでの2戦より明らかに両者がタフに守り合う展開となった試合は、第1クォーターを終えて12-9と、3試合の中で初めて両者のクォーターごとの得点が15点を割った。インサイドまで進入し、フィールドゴールだけでなくフリースローでも加点をしていくA東京に対して、琉球の桶谷大ヘッドコーチ(HC)はこのシリーズでなかなか見せなかったゾーンディフェンスで対抗を始める。追いかけるA東京が攻めあぐねる時間が訪れた。
「桶さん(桶谷HC)、やり手だな……と。ここで出してくるかと。でも、シーズン中もやってきたことではあったので、しっかりコミュニケーションを取って、ゾーンとマッチアップの切り替えの部分などは徹底できたと思います。(ゾーンディフェンスを組むと決まったのは)本当に、試合中のことなんです。試合前のミーティングとかじゃなくて、試合中にシグナルが出された感じです」
予想外の采配が起きた瞬間を振り返るのは、在籍5季目となる琉球の小野寺祥太だ。ディフェンスでの嗅覚に優れたところを見せ、琉球の守りからのリズムを支える職人気質も持ち合わせる。この日は両チーム最多となる3本のスティールを記録するなど、相手の攻撃・反撃の芽を摘み続けた。
「ディフェンスを頑張るのは僕の仕事でもありますし、GAME2が終わってからしっかり映像を見直して、どこを対処するかを考えましたし、コートで体現できたと思います。(マッチアップをしていたA東京の)テーブス選手は突破力に優れたところがあるので、そこをしっかりと抑えられましたし、2ポイントのエリアでジャンプシュートを打ってくることについては(打たれても)OKとしていたので、決められても『大丈夫、大丈夫』と切り替えもできていたので、守りやすかったです」