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日本人初の東京D世界戦で異例のハグ ユーリ阿久井政悟が初V成功「今日は僕の日」 桑原拓に判定3-0完勝

ボクシングのWBA世界フライ級(50.8キロ以下)タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が同級3位・桑原拓(大橋)に3-0の判定勝ちを収めた。世界初挑戦の桑原を下した阿久井は初防衛に成功。ともに日本人で初めて東京Dの世界戦リングに立ち、桑原は日本ジム所属選手100人目の世界王者になるか注目を集めていたが及ばなかった。両者は最終ラウンド開始直後、異例とも言えるハグを交わしていた。

WBA世界フライ級、ユーリ阿久井政悟(左)が桑原拓に判定勝ちし初防衛に成功した【写真:荒川祐史】
WBA世界フライ級、ユーリ阿久井政悟(左)が桑原拓に判定勝ちし初防衛に成功した【写真:荒川祐史】

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 ボクシングのWBA世界フライ級(50.8キロ以下)タイトルマッチ12回戦が6日、東京ドームで行われ、王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が同級3位・桑原拓(大橋)に3-0の判定勝ちを収めた。世界初挑戦の桑原を下した阿久井は初防衛に成功。ともに日本人で初めて東京Dの世界戦リングに立ち、桑原は日本ジム所属選手100人目の世界王者になるか注目を集めていたが及ばなかった。両者は最終ラウンド開始直後、異例とも言えるハグを交わしていた。

 東京Dは世界戦第1試合から熱い声援が送られた。内野最上段席まで約4万人で満員。歴史的な超大型興行のゴングが鳴ると、王者・阿久井が前に出た。圧力をかけ、桑原を下がらせる展開。ボディー、フックと散らし、強打を当てるたびにどよめき。4回、桑原もパンチを当て返すが、ガードを打ち破れなかった。距離が詰まった6回は打ち合いに。しかし、7回以降は阿久井が一方的に攻め立てた。

 終盤もダメージが色濃い挑戦者に対し、王者が攻め続けた。最終12回の開始直前、両者は敬意を込めてハグ。異例とも言える光景の後、最後は互いに力を振り絞り、打ち合いを演じた。終始攻勢に出た阿久井となんとか踏ん張った桑原。終了のゴングが鳴った瞬間、抱き合う両者に大きな拍手が注がれた。

 試合は3-0の判定で阿久井が完勝。マネージャーの妻・夢さん、長女・千聖(ちさと・3歳)ちゃん、次女・琴乃(1歳)ちゃんが観戦する中で、初防衛を果たした。

 リングインタビューでは「チームのみんな、家族に感謝したい。久々の対決で、やっぱり強くなっていた。1ラウンド、効いたパンチもあったし、危ないなと思った。だけど、今日は僕の日でした。今日も会長が、娘が応援してるぞと鼓舞してくれて12ラウンド戦い抜けた。本当に感謝したい。岡山の方も、東京ドームまで来てくださってありがとうございました」と感謝した。

 1990年のマイク・タイソン―ジェームス・ダグラス戦以来34年ぶりの東京Dボクシング興行。メインイベントは、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)と元世界2階級制覇王者ルイス・ネリ(メキシコ)の歴史的一戦を迎える。メインイベントを日本人が務めるのは初めてだが、世界戦4つのうち阿久井―桑原がトップバッター。ともに東京Dで世界戦を行う最初の日本人になった。

 2人は2021年7月に対戦し、日本フライ級王者だった阿久井が初回と最終回にダウンを奪い、桑原に10回残り11秒でTKO勝ち。桑原は僅差の劣勢から逆転を狙ったところで倒され、担架で運ばれていた。阿久井は今年1月に6度防衛中だった王者アルテム・ダラキアン(ウクライナ)に3-0の判定勝ちを収め、岡山のジム初となる悲願の世界王座奪取を果たした。

 桑原はプロ14戦のうちデビュー戦の東京・大田区総合体育館以外、全て後楽園ホールで戦ってきた。今月4日にIBF世界バンタム級1位・西田凌佑(六島)が王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に判定勝ち。日本ジム所属選手99人目の世界王者になったため、再起後5連勝中だった桑原は100人目になるチャンスだった。

(THE ANSWER編集部)

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