衝撃の14歳トルソワとは何者か 天才少女の肖像「みんな4回転なら私は5回転を跳ぶ」
「もし、五輪の選考の年にみんなが4回転を跳ぶなら私は5回転を跳びます」
過去には自らトゥトベリーゼコーチに頼み込み、平昌五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ(ロシア)と一緒に練習し、「彼女はとても多く練習していました……とてもとても勝ちたがっていた」と刺激を受けたという。「私はエテリ先生に『もうこれ以上できません』と言ったことがありません。お母さんに言ったら『休憩してまた練習に行きなさい』と彼女は答えました。コーチたちは私が疲れているのを見たら、自分たちから私に休日を与えます」と練習の虫であることも明かした。
それほどまでにフィギュアに対して熱い思いがあるからこそ、ルールに対しても考えを持っている。ジュニアの女子SPでは4回転ジャンプ、3回転半ジャンプが加点されないことについて「私は、それは不公平だともうみんなに言いました。でも私たちのルールはそうなっています。多分これまで誰もそういったジャンプをショートプログラムで跳ぶとは思っていなかったのでしょう。私が(跳んでいいか)尋ねたら、ダメだと言われました」と漏らし、ジュニアの大会でも限界に挑戦したい思いがあるようだ。
まだ14歳。将来についても大きな夢を抱いている。「今はフィギュアスケートを頑張ってオリンピックで勝ちたいです」と五輪女王を思い描いたトルソワ。一方で「その後、大人になったら25歳くらいで家庭が欲しいです。大きくなって家を持ったら大きいプードルを飼います」と普通の女の子らしい希望も持つ。しかし、フィギュアとなると一変。強烈なまでの意欲を明かしている。
「私は単純に誰も跳ばないジャンプを跳びます。もし、五輪の選考が行われる年にみんなが4回転ジャンプを跳ぶなら私は5回転ジャンプを跳びます」
近年、メドベージェワ、ザギトワが世界を席巻してきたフィギュア大国ロシアに、またしても現れた逸材。その成長度と伸びしろはまだ、陰りが見えそうにない。
(THE ANSWER編集部)