完全復活を支えた「淡々と」のメンタル術 2週連続V鈴木愛、感情を抑えきった雨中の短期決戦
女子ゴルフの国内ツアー・Vポイント×ENEOS最終日が17日、鹿児島高牧CC(6456ヤード、パー72)で行われた。首位で出た2017、19年賞金女王・鈴木愛(セールスフォース)が通算10アンダーで並んだ小祝さくら(ニトリ)とのプレーオフ(PO)を2ホール目で制し、2週連続優勝を達成。悪天候予報で異例の45ホール短縮競技となったが、動じることなく節目のツアー通算20勝目を飾った。この日はセカンドカットで前日1アンダーの28位タイまでの37人だけがプレーした。
Vポイント×ENEOS最終日
女子ゴルフの国内ツアー・Vポイント×ENEOS最終日が17日、鹿児島高牧CC(6456ヤード、パー72)で行われた。首位で出た2017、19年賞金女王・鈴木愛(セールスフォース)が通算10アンダーで並んだ小祝さくら(ニトリ)とのプレーオフ(PO)を2ホール目で制し、2週連続優勝を達成。悪天候予報で異例の45ホール短縮競技となったが、動じることなく節目のツアー通算20勝目を飾った。この日はセカンドカットで前日1アンダーの28位タイまでの37人だけがプレーした。
【特集】“欽ちゃん球団監督”片岡安祐美の今 2度の流産を経て母に…思春期の後悔「生理に見て見ぬふりを」
(W-ANS ACADEMYへ)
劣勢を跳ねのけた。18番パー4のPO2ホール目。鈴木が残り165ヤードから放った第2打は、手前のバンカーに吸い込まれた。2オンの小祝を横目に崖っぷち。だが、元女王が底力を発揮した。残り19ヤードからピンまで3メートルにアプローチ。パーセーブで控えめに拳を握った。小祝のボギーで2週連続Vが決定。「今年の鈴木愛は違うぞ、と見せたかった」。スタート時は3打差に15人がひしめく最終日を制した。
18番は初日にダブルボギー。第2日もボギーのピンチを背負った。天気予報を頭に入れ、この時点で最終日の短期決戦を予感。POまで想定した。「死ぬ気で決めなければ」。しっかりとパーで終え、良いイメージのまま最終日へ。予想通り雨の中、イン9ホールの短期決戦を5バーディー、3ボギーで回った末のPOだった。「若い子たちに押されているので、待ったをかけたかった」と胸を張った。
開幕3戦2勝。強さの要因は「落ち着き」と自負する。「色々考えすぎて、地に足がついていない感じだった」。ミスの後も感情が表に出てしまうタイプ。真剣勝負の厳しい世界だからこそだが、少しずつ減ってきた。「本当に淡々と。優勝争いをしていると思えないくらい」。感情を抑えられるようになったのは「今日の朝です」と笑う。大会前日は完全オフ。買い物での気分転換も覚えた。
19年は7勝で2度目の賞金女王に。昨年までの3年は2勝と苦しんだが、完全復活を印象付けた。過去の3週連続Vは07年全美貞と19年11月の自分だけ(1988年ツアー制施行後)。2度達成なら史上初の快挙だ。大目標は永久シード獲得の30勝。「1勝、1勝、挙げられるように頑張るだけかな」。目の前のプレーと同じように淡々と。さらに成長した鈴木がまた、勝ち星を積み上げる。
(THE ANSWER編集部)