バスケ天皇杯V2の千葉・富樫勇樹がMVP「本当に最高」 117-69圧勝で敗者にも感謝「最高の雰囲気でした」
バスケットボール男子の天皇杯全日本選手権は16日、さいたまスーパーアリーナで決勝が行われ、昨年王者の千葉ジェッツが琉球ゴールデンキングスに117-69の圧勝で2連覇を達成した。昨年決勝と同カード。出場全103チームの頂点に立ち、2019年に3連覇して以来の連覇で5度目の日本一に輝いた。昨季Bリーグ王者の琉球は沖縄勢初の悲願達成はならなかった。観衆は1万5385人。千葉の主将・PG富樫勇樹がMVPに選ばれた。
バスケットボール天皇杯決勝
バスケットボール男子の天皇杯全日本選手権は16日、さいたまスーパーアリーナで決勝が行われ、昨年王者の千葉ジェッツが琉球ゴールデンキングスに117-69の圧勝で2連覇を達成した。昨年決勝と同カード。出場全103チームの頂点に立ち、2019年に3連覇して以来の連覇で5度目の日本一に輝いた。昨季Bリーグ王者の琉球は沖縄勢初の悲願達成はならなかった。観衆は1万5385人。千葉の主将・PG富樫勇樹がMVPに選ばれた。
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中立地開催で満員となった客席は千葉の赤、琉球の白にはっきりと分かれた。第1クォーター(Q)開始18秒。千葉はクリストファー・スミスが3ポイント(P)を鮮やかに決めて先制。富樫を中心に攻め立てた。しかし、14-14の残り3分6秒、相手リング下の攻防で日本代表・金近廉が接触により顔付近から出血。一時はベンチに下がらざるを得なくなった。
それでも同代表の原修太、富樫の3Pで突き放し、25-21で第2Qへ。一方、指笛の応援を受けた琉球は、沖縄・名護市出身で琉球一筋11年の33歳・PG岸本隆一が、国内屈指のフィジカルを誇るチームを動かした。しかし、千葉は33-23の残り7分47秒から富樫が3本目の3P成功。身長167センチの主将が抜群のスピードでエンジンを掛けると、ドリブル、パスで得点機を多く演出し、48-32で第3Qに入った。
第3Qも富樫は止まらない。開始直後に2点を奪うと、60-40から4本目の3P成功。高く放たれたシュートは会場の音を消し、ネットを揺らした瞬間に赤いブースターたちが沸騰した。直後も富樫のアシストからスミス、ジョン・ムーニーが次々と得点。さらに主将のスティールから点を重ね、残り4分20秒で70-41と完全に主導権を握った。
85-49で入った最終第4Qも千葉ペース。金近が3Pを決めれば、富樫も88-54からこの日20点目となる芸術的な3Pで沸かせ、日本一を決定づけた。富樫は3Pを9本中6本決めるなど20得点、9アシスト、1スティールと爆発。チーム全体でも3P成功率は56.8%(37本中21本成功)と目立ち、23.1%(26本中6本成功)の琉球とは対照的だった。表彰式では富樫がステージ中央で優勝カップを掲げ、金色の紙テープが舞う中、飛び跳ねて喜んだ。
富樫はコートインタビューで「本当に最高という言葉しかない。今日の1万5000人のブースター、千葉もそうですが、遠くから琉球のブースターも駆け付けてくれて最高の雰囲気でした」と感謝。「プラン通り。毎試合ですが、コーチ陣の完璧なプランで選手もやりやすかった。選手全員が自分の仕事をした結果だと思う。試合を通して選手全員が楽しそうにプレーした。先週から勢いよく天皇杯決勝に来られたので嬉しい」と汗を拭い、こう続けた。
「僕だけじゃなくチームが50%を超える3ポイントを決められた。チームでスクリーンを掛けて打ったシュート。全員で点数を重ねられたことが素晴らしかった。(個人の成功率も)チーム全員が連動した結果。今季はスタートから出遅れたので、(Bリーグも)ホームでチャンピオンシップをしたい。この勢いを続けて、昨年ファイナルで敗れた悔しさを晴らしたい」
ジョン・パトリックヘッドコーチは「もう言葉にできない気持ちです。難しいスケジュール。誇りに思います」とコメント。「ディフェンスからの得点が多くて本当にみんなモチベーションが高くて、本当に勝ちたいという気持ちで頑張りました。12人で戦ったので良かった」と選手を労い、3P成功率にも「集中力が高い。勇樹も気持ちが入っていたのでよかった」と胸を張った。
昨年決勝は87-76で千葉が制したが、Bリーグファイナルでは琉球が勝利。近年の日本バスケ界を引っ張ってきた両チームが今回も火花を散らした。千葉は10日にも東アジア各国の強豪クラブが王座を争う東アジアスーパーリーグ(EASL)の決勝を戦い、日本のクラブとして初優勝していた。
(THE ANSWER編集部)