完全V鈴木愛が被災地1000万円寄付で考えた人生観 「元気を与えるじゃなく…力になりたい」
2021年に密かに口にしていた引退「本当に辞めたい」
苦しかった2021年。身近な人には引退を口にしていた。自分でどうすればよくなるか道筋が見えない。モチベーションも上がらない。当然、結果も出ない。「本当に辞めたい」。だが、周りには続けてほしいと説得された。続ける代わりに「自由にさせてほしい」とお願い。コーチ、トレーナー、栄養士も全て自分で決めた。より一層、責任感が強くなった。
コーチからは年間女王、通算30勝で与えられる永久シードを目指せると諭された。「まだ目指せる年なんだな」。今年5月で30歳。体力づくりに改めて注力した。「19回優勝してこれだけ体力的にしんどくないのは初めて」。より実力差の出やすい4日間大会で完全優勝。努力の賜物だった。
徳島出身で地元・四国の声援を受けながら戦った。現時点での大目標は永久シードの獲得。近いターゲットは海外メジャー・全米女子オープンだ。「そこに出られるように。3、4月でもう一度勝ちたいし、そこからもう一回は最低でも優勝争いしないといけない」。ニッコリ笑いながら若手への対抗心を燃やした。
「シードを目指すだけでは自分の中ではつまらない。モチベーションも必要だし、やるからには一番になりたい。まだ伸びしろはある。若い選手に体力は負けるけど、経験は豊富。いつも一緒の勝ち方、一緒の負け方は一切ないと思っています。試合でも練習でも傾向がわかる。自分の方が経験値が上。実力的にもまだまだ上でいたい。そういう面でも若い子には『まだ負けねぇぞ』っていう気持ちでいます(笑)」
毎年若手が次々と台頭する女子ゴルフ界。高いモチベーションを持つ元賞金女王の存在は、大きな壁になりそうだ。
(THE ANSWER編集部)