井上拓真の悶絶ボディーは「全くの予想外だ」 アンカハス勝利予想の海外記者がKO決着に驚き
ボクシングのトリプル世界戦が24日、東京・両国国技館で行われ、メインイベントのWBA世界バンタム級(53.5キロ以下)王者・井上拓真(大橋)が挑戦者の同級9位ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に9回44秒KO勝ちした。強烈な右ボディーを突き刺したKOを現地で目撃したベテラン海外記者は「全く予想していなかった」「完璧だったね」と手放しで称賛していた。
WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
ボクシングのトリプル世界戦が24日、東京・両国国技館で行われ、メインイベントのWBA世界バンタム級(53.5キロ以下)王者・井上拓真(大橋)が挑戦者の同級9位ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)に9回44秒KO勝ちした。強烈な右ボディーを突き刺したKOを現地で目撃したベテラン海外記者は「全く予想していなかった」「完璧だったね」と手放しで称賛していた。
結末は突然だった。拳が激しく交錯する試合になった。拓真が挑戦者の圧力をいなす展開。的確にパンチを返していった。中盤は足を止めて打ち合う場面も。決着は9回、接近戦からえぐるように右ボディーを突き刺した。一瞬だけ間をおいてアンカハスが崩れ落ちる。10カウントが取られ、KO勝ちが決まった。雄叫びとともにガッツポーズ。勝ち名乗りを受ける時には涙を流して顔をくしゃくしゃにした。
地元紙「フィリピン・スター」のアバック・コルデロ記者は20年以上ボクシングを取材。世界6階級制覇を成し遂げた母国の英雄マニー・パッキャオ氏の試合も25戦ほど取材してきた大ベテランだ。戦前の取材では「判定にしろ、KOにしろ、ジェルウィンに軍配が上がるだろう」と予想していたが、拓真のKO勝ちは「全くの予想外だった」と驚きの表情。このように語った。
「これまで(拓真は)キャリアでKO勝利は4度だけだったし、ジェルウィンについて過去最高の対戦相手だと話していたからね。ジェルウィンは試合の後、呼吸を正常に戻そうとしたが出来なかったと言っていた。ジェルウィンはスパーリングでさえボディーでダウンしたことがない。タクマのボディーショットは完璧だったね」
拓真は、初めて任されたメインイベントで難敵を撃破。コルデロ記者は「自分よりも経験のある相手でもかなり自信を持っていたようだった」と指摘した。試合展開についても「彼(拓真)はとてもいい試合プランを持っていたね。ジェルウィンに問題を与えていたよ」と称賛。不在となっているフィリピン人世界王者の誕生は今回もお預けとなり、「彼(拓真)の方が今日は優れたボクサーだったね」と落胆気味だった。
(THE ANSWER編集部)