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井上尚弥が抜けても熱いバンタム級 中谷潤人参戦で動く勢力図、次に世界戦線に加わるのは誰だ

比嘉、堤、武居が虎視眈々、石田、西田は挑戦権保持、那須川天心も

 特に1つ下のスーパーフライ級で対戦を避けられるなど、強さを見せつけてきた中谷のバンタム級参戦は大きい。同級は拓真と中谷のほか、IBFはエマヌエル・ロドリゲス、WBOはジェイソン・マロニーが王座を保持。ともに強すぎる尚弥に敗れはしたが、実力に疑いのない王者だ。

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 WBAは石田匠(井岡)がランク1位として挑戦権を持つ。拓真陣営の大橋秀行会長は「次は石田匠選手と指名試合。拓真は怪我もないので、尚弥と同じ日の試合になると思う」と5月に計画される東京D興行に参戦の見通しだと明かした。IBFの挑戦者決定戦を制した西田凌佑(六島)については、IBFが5月4日の大阪開催でロドリゲスに挑戦すると公表している。

 他にも日本人の実力者がひしめいている。東洋太平洋王者・栗原慶太(一力)のほか、元WBC世界フライ級王者・比嘉大吾(志成)は体重超過による資格停止処分から復活し、WBA5位、WBC7位、IBF10位、WBO5位につける。

 日本王者だった堤聖也(角海老宝石)も4団体でランク入りし、日本王座返上で世界挑戦に照準。19日の年間表彰式でも「世界は必ず獲ります」と宣言していた。元K-1王者の武居由樹(大橋)はボクシングデビューから8戦全KO勝ち。「心の準備としてはいつでも行けるぞと思っている」と着実に成長しながら世界獲りを見据えている。

 キックボクシングから転向し、ボクシングデビュー3連勝の那須川天心はWBA7位、WBO14位。帝拳ジムは慎重に育成していく方針のため世界戦線に加わるのは当面先の話だが、近い将来に主戦場となるバンタム級で台風の目になるかもしれない。

 そして、元5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)も忘れてはならない。昨年7月の再起戦は22年6月の尚弥戦に続いて2連敗。世界ランクから外れたが、今回の興行取材で来日したフィリピン記者たちは「彼は現役を続ける」と口をそろえていた。41歳のレジェンドも戻ってくる群雄割拠のバンタム級。動き続ける勢力図の中でサバイバルが行われる。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)


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