中谷潤人が衝撃6回TKOで3階級制覇!「死ぬ思いでやってきた」会場騒然の猛打炸裂でWBCバンタム級王座奪取
ボクシングのトリプル世界戦が24日、東京・両国国技館で行われ、セミファイナルのWBC世界バンタム級(53.5キロ以下)1位・中谷潤人(M.T)が王者アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に6回1分12秒TKO勝ちした。日本人3人目の「全勝世界3階級制覇」を達成。次代の26歳最強ボクサーが、転級初戦で日本人にとって馴染み深いWBCのバンタム級王座を日本に取り戻した。戦績は26歳の中谷が27勝(20KO)、初防衛戦の28歳・サンティアゴが28勝(14KO)4敗5分け。
WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦
ボクシングのトリプル世界戦が24日、東京・両国国技館で行われ、セミファイナルのWBC世界バンタム級(53.5キロ以下)1位・中谷潤人(M.T)が王者アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に6回1分12秒TKO勝ちした。日本人3人目の「全勝世界3階級制覇」を達成。次代の26歳最強ボクサーが、転級初戦で日本人にとって馴染み深いWBCのバンタム級王座を日本に取り戻した。戦績は26歳の中谷が27勝(20KO)、初防衛戦の28歳・サンティアゴが28勝(14KO)4敗5分け。
会場は一気に沸騰した。サウスポーの中谷は静かな立ち上がり。王者は3回に右目上をカットすると、中谷の有効打と判断された。4回終了時の公開採点は3者とも40-36で中谷優勢。序盤から低く構えていた中谷は、6回から高く構えるアップライトに変更。変化を加えると遠距離から強烈なワンツーを突き刺し、ダウンを先取した。再開後も猛ラッシュで2つ目のダウン奪取。ファンを満足させるKO劇だ。
試合後のリングインタビュー。「皆さん、ありがとうございました」と感謝した中谷は「この試合に向けて、ロサンゼルスでも日本でも死ぬ想いでやってきた。まずはサンティアゴ選手に感謝したい」と述べた。3階級制覇については「WBCのバンタム級は日本人も多く手にしてきているベルト。気が引き締まるし、これからも頑張りたい」と語った。
最後は「今日(の試合で)、バンタム級での将来を期待してもらえますか?」と呼びかけ、大きな拍手をもらった中谷。「皆さんの期待に応えてもらえるような熱いファイトをしていきたい。これからも応援お願いします」と締めくくった。
WBCの世界バンタム級王座は日本人にとって特別なものだ。かつてはファイティング原田、辰吉丈一郎、薬師寺保栄、長谷川穂積、山中慎介、井上尚弥ら数々の日本人ボクサーが巻いたベルト。中谷は15歳だった2013年4月、山中が12回TKO勝ちしたマルコム・ツニャカオ戦を生観戦した。「応援団が太鼓を鳴らして活気のある雰囲気。WBCのバンタム級に凄く憧れた」。しかも今回と同じ両国国技館。「ロマンがある」と巡り合わせを歓迎した。
昨年5月、米ラスベガスでアンドリュー・マロニー(オーストラリア)に12回TKO勝ちで世界に衝撃を与え、WBO世界スーパーフライ級王座を獲得。世界で最も権威のある米専門誌「ザ・リング」など、海外の各メディアで「年間最優秀KO賞」に選出され、世界的評価を高めていた。
昨年9月に初防衛。強すぎるあまり海外選手に対戦を避けられ、約10キロの減量苦もあって王座を返上した。ここまで2階級制覇したが、ともに空位の王座を争う決定戦。今回は1.4キロ重いバンタム級転向初戦で初めて世界王者に挑戦した。日本人の3階級制覇は過去6人。全勝での達成は井上尚弥、田中恒成しかいなかった。
一方、相手のサンティアゴは昨年7月の同級王座決定戦で元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)に3-0の判定勝ち。タフなスタイルで難敵とされていた。
メインイベントでは、WBA世界バンタム級王者・井上拓真(大橋)が挑戦者の同級9位ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)と初防衛戦を行う。
(THE ANSWER編集部)