8年ぶり「代々木決戦」に見えた進化 バスケA東京、昨季王者・琉球攻略へ繰り広げた駆け引き
2016年9月に誕生したバスケットボールのBリーグ。記念すべき開幕戦となったのは、実業団チームを中心とした「NBL」の名門・アルバルク東京と、Bリーグに先駆けてプロリーグとして成熟を迎えていた「bjリーグ」の王者・琉球ゴールデンキングスによる一戦だった。3日、それ以来8年ぶりとなる、国立代々木競技場第一体育館でのA東京と琉球によるゲームが実現。オーバータイムにもつれる激闘の末、A東京が91-80で勝利を手にした。
B1東西首位チームが激突、琉球との第1戦に競り勝つ
2016年9月に誕生したバスケットボールのBリーグ。記念すべき開幕戦となったのは、実業団チームを中心とした「NBL」の名門・アルバルク東京と、Bリーグに先駆けてプロリーグとして成熟を迎えていた「bjリーグ」の王者・琉球ゴールデンキングスによる一戦だった。3日、それ以来8年ぶりとなる、国立代々木競技場第一体育館でのA東京と琉球によるゲームが実現。オーバータイムにもつれる激闘の末、A東京が91-80で勝利を手にした。
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2連戦の第1戦で光ったのは、A東京の終盤における「読み筋」と、それを的確に遂行するコート上の理解力の高さであった。琉球は先日、日本国籍を取得したアレックス・カークを帰化選手として起用し、パワフルな打開が可能なアレン・ダーラム、ウイングを中心とした得点力も魅力なヴィック・ローによる「3ビッグ」を仕掛ける。
一方のA東京は、フィジカルでの消耗戦に強いビッグマンのアルトゥーラス・グダイティスが不在。そのなかで琉球のキーマンであるローに対して、レオナルド・メインデルや吉井裕鷹らを当てる一方、帰化選手のライアン・ロシター、セバスチャン・サイズ、メインデルによる「3ビッグ返し」に打って出るなど、琉球に対して“後の先”(相手が仕掛けてきた技に合わせて掛ける技)を探り続けたとも言える。1戦目を終えたところで、A東京のデイニアス・アドマイティス・ヘッドコーチ(HC)は次のように語る。
「我々としては、ディフェンス面におけるロー選手とのマッチアップを一番に考え、ここからすべてを考えることになります。ロー選手は(アウトサイド主体の)スモールフォワードでも、(インサイドでも戦える)パワーフォワードでもプレーできるわけで、そこにしっかりと対抗するために、レオ(メインデル)や吉井などを起用しました。レオ選手もいる、吉井選手もいるというなかで、我々としてもしっかりと答えを見つけられたと感じています」
攻守にわたって、精力的なプレーで盛り立てたという意味では、メインデルの存在感が大きかった。琉球のローやダーラムが、フィジカルな打開を狙って体を当ててくるなかでも、集中力を切らさずにプレーを続け、時にはオフェンスファウルも誘い、流れを渡さなかった。メインデルは、1戦目を終えての囲み取材で、次のように語った。
「大事な場面は、やはりメンタルのところでした。強いコンタクトはありましたけども、そこでブレずにイライラしないこと。コンタクトがあることも予想していたからこそ、良い状況判断に持っていけたと思います。日本に来て一番学んでいることが『我慢』です。(マッチアップした)ロー選手はオフェンスもディフェンスでも能力の高い選手ですが、自分のプレーを信じて、彼らを後手に回させる。少しでもズレを作って、相手のリズムでプレーをさせないことを心がけました」