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物が投げ込まれる超アウェーで20年ぶり快進撃 再びアジアトップ級に戻った日本代表の確かな自信【ハンドボールアジア選手権】

ハンドボールの男子日本代表が27日、アジア選手権が行われていたバーレーンから帰国した。1次リーグ、2次リーグ、準決勝と無敗で勝ち進み、20年ぶりの決勝進出。6連覇を目指したカタールに敗れて45年ぶりの優勝は逃したが、ターンオーバーを使いながらの好成績でチームは自信を深めた。

アジア選手権準優勝を手に成田空港に帰国した東江雄斗主将(前列左から3人目)らハンドボール男子日本代表【写真:荻島弘一】
アジア選手権準優勝を手に成田空港に帰国した東江雄斗主将(前列左から3人目)らハンドボール男子日本代表【写真:荻島弘一】

準Vだったアジア選手権から帰国、主将・東江「優勝したかった」

 ハンドボールの男子日本代表が27日、アジア選手権が行われていたバーレーンから帰国した。1次リーグ、2次リーグ、準決勝と無敗で勝ち進み、20年ぶりの決勝進出。6連覇を目指したカタールに敗れて45年ぶりの優勝は逃したが、ターンオーバーを使いながらの好成績でチームは自信を深めた。

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 準優勝のカップを手にした東江(あがりえ)雄斗主将(ジークスター東京)は「最低限の目標だった世界選手権出場(ベスト4)は決めることができたので、ホッとしています。ただ、決勝まで行ったので優勝したかった」と悔しそうに話した。

 故障者が相次いだ。チーム得点源の吉野樹(トヨタ車体)は負傷で不参加。欧州でプレーする司令塔の安平光佑(ヴァルダル)は1次リーグで負傷離脱した。東江も左足首の負傷を抱えながら途中合流。昨年9月の杭州アジア大会、10月にカタールで行われたパリ五輪予選、国内組には日本リーグ、日本選手権もあって選手の疲労もたまっていた。

 それでも、今の代表「彗星JAPAN」は強かった。1次リーグではイラクに引き分けたもののサウジアラビア、インドに快勝。中東勢との3連戦となった2次リーグでもイラン、UAEに前半のビハインドを跳ね返して逆転勝ち。カタールとは残り0秒で追いついて引き分けた。

 エースの部井久(べいぐ)アダム勇樹(ジークスター東京)は「今までならリードされてズルズル負けていたけれど、今回は粘れた。諦めずにプレーできたのはチームが成長した証」と言った。「吉野さんと安平がいなくて、自分がやらなければという気持ちだった」と攻守に安定したプレーをみせ、フランスのダンケルクでプレーする吉田守一とともに、大会ベスト7に輝いた。

 準決勝のバーレーン戦は壮絶だった。ダグル・シグルドソン監督も「特に開催国を破ったことは誇るべき結果だ」と話す。超満員の会場はバーレーンの応援一色。異様なムードの中でリードを許し、守備の要の吉田も失格(退場)になったが、それをはねのけて逆転勝ち。怒ったサポーターからペットボトルなど物が投げ込まれ試合が中断、最後は多くの警官に守られてコートを出る騒ぎとなったが、部井久は「まあ、ひどかったですけど、想定内です」。日本は強さとともに、たくましさも見せた。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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