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那須川天心、初KO後は暴食 ケーキ1ホール、ラーメン、うどん「顔がパンパン。パンチはもらってないけど、ダメージはあります」

ボクシングの日本&東洋太平洋スーパーバンタム級7位・那須川天心(帝拳)が24日、ボクサー転向3戦目から一夜明け、大阪市内のホテルで会見した。前夜は121ポンド(約54.89キロ)契約8回戦でルイス・ロブレス(メキシコ)に3回終了TKO勝ち。相手が3回終了時に棄権を申し出たことで、初のKO勝ちとなった。初の世界ランカー戦で勝利を収め、世界ランク入りは濃厚。試合を振り返り、主戦階級となるバンタム級での今後を見据えた。

一夜明け、大阪市内のホテルで会見した那須川天心【写真:浜田洋平】
一夜明け、大阪市内のホテルで会見した那須川天心【写真:浜田洋平】

那須川天心が一夜明け会見

 ボクシングの日本&東洋太平洋スーパーバンタム級7位・那須川天心(帝拳)が24日、ボクサー転向3戦目から一夜明け、大阪市内のホテルで会見した。前夜は121ポンド(約54.89キロ)契約8回戦でルイス・ロブレス(メキシコ)に3回終了TKO勝ち。相手が3回終了時に棄権を申し出たことで、初のKO勝ちとなった。初の世界ランカー戦で勝利を収め、世界ランク入りは濃厚。試合を振り返り、主戦階級となるバンタム級での今後を見据えた。

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 まさかの幕切れだった。那須川は2回、左ボディーストレートを数回ヒット。圧力をかけて攻勢に出ると、3回は左ボディーでよろめかせた。ほとんどパンチをもらわず圧倒していたが、3回終了時に相手陣営が右足首負傷で棄権を申し出。那須川は拍子抜けするように苦笑いしたが、KO勝ちは時間の問題と思わせる内容だった。

 転向3戦目ながらWBAとWBOで世界バンタム級14位につけていたロブレスを撃破。試合後のリングではバンタム級参戦を表明した。この日は帝拳ジム代表の浜田剛史氏、元世界2階級制覇王者・粟生隆寛トレーナーとともに会見に出席した

――試合について。

「まずは皆さんありがとうございました。前回は拳も折れてしまったので2戦目でできなかったこと、カウンターは得意だったけど、そこからまとめることを意識してきた。ステップ、立ち方、重心の位置も全て変えた。言われてできていなかったことが、ある日コツをつかんだ。全部出し切る前に終わったけど、進化はしている。

 次はもっと楽しみにしてほしい。今回は『早すぎる』と言われました。(否定的なことなど)何を言われても気にしないけど、『見てろよ』という気持ちはある。相手の心を折ることはできたけど、満足は全くしていない。強くなるだけだと思う」

――粟生トレーナー、試合について。

粟生トレーナー「ああいう形で終わったけど、あと1、2回あれば同じ結果になっていた。映像を見ていないですけど、改善点はまだこれから話し合いたい」

――試合に点数をつけるなら。

「初回から立ち回り的にはよかった。毎回100点のつもりでやっている。伸びしろはあるのでまだまだですね」

――今後のスケジュールの希望は。

「ダメージもそこまでないので、少し休んでコンスタントに試合したい。試合に勝る経験値はない。どんどん試合をしたい」

――年内の目標は。

「今回で世界ランクに入るかわからないけど、入ってもいきなり世界はどうかなと。地域タイトルとか、日本一を証明したり、タイミングを見てやりたい。一歩一歩です。子どもの頃からずっとそうやって着実にやってきた。みんなにもそうじゃないと生き残れないよねっていうところを見せたい」

――ファンにメッセージを。

「昨日は応援ありがとうございました。自分の中で違う姿は見せられたけど、まだまだ全然伸びしろはある。今回の試合でボクシングが好きになった。強くなることを考えて今後も生きていきたいので、お互いに頑張っていきましょう」

――試合をやって気づきは。

「無駄な動きが減った。ステップだったり。今までよけることを意識していた。この3戦を通じてボクシングの型を覚えてきた。今度はそれにプラス、自分の中での技の変化ががある。一個、一個のパンチの角度を変えるだけで当たるパンチになったり、何万通りもある。スパーや実戦でいろんなことをやっていきたい」

――子どもからの声援が多い。

「めちゃくちゃ耳に入った。会場も距離が近かったので、エールを送ってくれていたのは感じました」

――世界戦に挟まれた試合。激闘に刺激は。

「もちろんあります。まだ12回はやったことがないし、いつかはやると思う。ああいう激闘はやりたくないですけど(笑)。誰が見ても強いと思われるような、全員が納得する試合をしたい」

――ラウンド中の変化がクレバー。練習してきたからか、子どもの頃からの経験か。

「昔からやっているので覚えが早いのはある。あとは脳みそを使うのはそこ(格闘技)だけだから。練習で頭をフルで使う。あとは特になんも考えずにやっている(笑)。いいか悪いかわからないけど。ステップができないと歩き方を変えたり、そういうことを全部日常生活からボクシングに繋げる。当たり前だと思っているけど、いろんな人に聞いたら『おかしいよね』って言われる。伸びが早いと言われる理由なのかなと思う」

――試合でL字ガードしているように見えた。練習していた。

「使ってました? 相手が下から入ってくるタイプだったので、ジャブも上から打つより、下から上げた方がいいのかなと。右ジャブの使い方が凄くいろんな使い方をできるようになってきた。それで瞬時に判断してできたのかなと思います」

――今までで一番軽い体重だった。バンタム級への適応は。

「それを見据えての体づくりをしてきた。減量は今まで一番楽だった。ずっと脂肪を削る作業をしてきて、食事をずっと節制してきた。だからスムーズにできた。気にしすぎるくらい準備した。あと1.3キロの減量をいきなりできるかわからないけど、徐々にその体になっている。昨日はケーキ1ホール、ラーメンと、かすうどんも食べて顔がパンパン。パンチはもらっていないけど、ダメージはあります(笑)」

――KOに手応えは。

「KOはタイミングだなと。周りがKO、KOって言うけど身内は言わない。KOしないとお客さん、“反”那須川天心は認めてくれない。でも、KOしに行って自分が倒されても、その人たちは無責任じゃないですか。だから、合わせる必要はない。でも、苦手としていることはやる必要があるので、全局面でできるようにはしたい。相手にKOパンチがあると思われると、やりやすい。だから、幅を広げる必要はある。今回は不完全燃焼なので引き続きやりたい。その方が見る人も楽しいと思う。

 粟生さんと話していて『ニュアンスが一緒だけど、言っていることは違う』という現象はある。思っていることは一緒でも言い方が違う。話していて『疲れている方がいいよ』って言われてその感覚でやったり。今までやっていることの逆の視点でやったりもする」

――言われたことと一致してきたのか。

「ズレていたというより、段階があるので。これをやれって言われてやっても、その場でできただけ。それを試合で使えるかというと使えない。意識してやるということは『習得』とは思っていない。一個、一個の感覚を2か月とかかけて覚えていく。最初は意識して最終的に無意識にやれるようにやるのが、僕が格闘技をやる上での秘訣」

――難しい質問でした。

「そうですね、だいぶ難しかったです(笑)」

――通算50勝に乗った。

「振り返ってみればずっと勝ってきたなって思うけど、意識してやっていなかった。でも、勝ち続けるのは難しいこと。自分のやってきたことに狂いはなかった。100%ってないことだけど、100%なのはよくやってきたなと。納得できる部分もあり、振り返ってみて50勝してるのかと。アマチュアから合わせたら150~200連勝している。毎日負けないためにやっていきたい。

『1回負けた方が人気出る』と言われることもある。日本の文化かもしれないけど、負けから這い上がるストーリーがみんないいのかなと。応援したくなると思う。でも、さすがにそれは嫌。ずっと負けないために毎日生きている。格闘技だけ負けなければいい」

(THE ANSWER編集部)


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