ユーリ阿久井政悟が世界王座奪取! 長期防衛の強敵王者に3-0判定勝ち、岡山のジム初の世界王者誕生
ボクシングのWBA世界フライ級(50.8キロ以下)タイトルマッチ12回戦が23日、エディオンアリーナ大阪で行われ、世界初挑戦の同級1位・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が6度防衛中の王者アルテム・ダラキアン(ウクライナ)に3-0の判定勝ち(116-112、117-111、119-109)した。過去9度の初回KO劇を演じてきた挑戦者。岡山のジム初となる悲願の世界王座奪取を期待されてリングに上がった。戦績は28歳の阿久井が19勝(11KO)2敗1分け、36歳のダラキアンが22勝(15KO)1敗。
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ボクシングのWBA世界フライ級(50.8キロ以下)タイトルマッチ12回戦が23日、エディオンアリーナ大阪で行われ、世界初挑戦の同級1位・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が6度防衛中の王者アルテム・ダラキアン(ウクライナ)に3-0の判定勝ち(116-112、117-111、119-109)した。過去9度の初回KO劇を演じてきた挑戦者。岡山のジム初となる悲願の世界王座奪取を期待されてリングに上がった。戦績は28歳の阿久井が19勝(11KO)2敗1分け、36歳のダラキアンが22勝(15KO)1敗。
難敵に攻め勝った。阿久井は足を使う王者を捕まえられず。客席は「あ、く、い!」のコールで盛り立てた。コーナーに追い込んでもパンチを返された瞬間に逃げられる展開。左右に動き続ける変則的な王者に苦戦した。7回、徐々にパンチを当て始めると会場が沸く。11回に左を当てるなど、最終回まで攻め続けた挑戦者。判定結果を聞くと、吼えながら拳を突き上げた。妻と2人の子どもとともに喜びを分かち合った。
試合後のリングインタビューで、阿久井は「(相手は)難敵である前に、素晴らしい人間で、対戦することがなければ一生尊敬していたボクサー、人間。試合なのでそういう感情は一切抜きにして、自分の出せる力をぶつけた」とダラキアンへの敬意を口にした。
ダラキアンはアゼルバイジャン出身だが、現在はウクライナ在住。18年2月に世界王座を獲得したが、コロナ禍などの影響で19年以降は1年に1試合ずつしかしていない。王座の在位期間は6年。防衛数こそ6度に留まっていたが、36歳でもベルトを手放さないのは長期間強さを保っている証しだった。
戦禍のウクライナでは練習相手の確保に難航。妻と4人の子どもを抱える王者は「多くの人が家をなくし、命を亡くし、親しい人を亡くした」と国にベルトを持ち帰る気概を見せていた。
今回の試合は昨年11月予定だったが、他の試合の選手が調整期間中に負傷し、興行が延期に。阿久井は1週間休養を入れ、再び心身ともにつくり直した。12月から1か月間は妻、子どもとともに上京し、より実力者の多い都内のジムへ出稽古。岡山のジム初の世界王者誕生が期待されていた。
阿久井は「僕だけじゃなく、守安ジムの先輩、会長、皆が欲しがっていたチャンピオンベルト。皆で獲ったチャンピオンだと思う」と強調。「三度目の正直ということで会長につけてもらいたい」と獲得したベルトを守安竜也会長の腰に巻いた。守安会長は感極まった様子だった。
支えてくれた妻、子供たちには「(妻は)結婚する前から支えてくれた存在で、日本チャンピオンになってから子供が増えて、世界に挑むプレッシャーというか、子供も含めてなんですけどストレスを与えていた。ちょっとゆっくりしたいです。ゆっくりしようね」と呼びかけた。
興行は「Prime Video presents Live Boxing」の第6弾として開催。メインイベントのWBA&WBC世界ライトフライ級(48.9キロ以下)タイトルマッチ12回戦では、2団体統一王者・寺地拳四朗(BMB)が元WBA正規王者のWBA1位&WBC2位カルロス・カニサレス(ベネズエラ)と防衛戦を予定。セミファイナルの121ポンド(約54.89キロ)契約8回戦では、東洋太平洋&日本スーパーバンタム級7位・那須川天心(帝拳)がルイス・ロブレス(メキシコ)と対戦する。
(THE ANSWER編集部)