23日ボクサー3戦目へ練習公開

　ボクシングの那須川天心（帝拳）が10日、都内の所属ジムで練習を公開した。23日にエディオンアリーナ大阪でボクシング転向3戦目として121ポンド（約54.89キロ）契約8回戦に臨み、ルイス・ロブレス（メキシコ）と対戦。初の世界ランカーとの一戦へ、スパーリングではKOスタイルに変貌した姿を見せ、“三度目の正直”となるKO勝ちを期待させた。戦績は25歳の那須川が2勝（0KO）、25歳のロブレスが15勝（5KO）2敗1分け。興行はAmazon プライム・ビデオで生配信される。

　那須川は着実に成長していた。メキシコのスーパーバンタム級選手2人とそれぞれ2ラウンドずつのスパーを公開。ともに自身より身長が大きい相手に対し、距離を詰めながら攻めた。ロープに下がらせると、ボディー、フックを4、5発と叩き込む猛攻。コンビネーションでパンチをまとめる場面を何度もつくり、好戦的な姿を見せた。他にもシャドー4回、ミット2回を消化。サンドバッグも打ち、汗を流した。

「打ち込めるようになったのと無駄な動きが減ったのが一番（の違い）ですね。変な疲れがラウンド中にない。前は打っても3発で疲れたけど、今は疲れないのでバンバン行ける。自分のスタイルも1、2戦目に比べて形がハマってきた」

　昨年4月のボクシングデビュー戦、9月の2戦目はともに判定勝ち。特に2戦目はKO宣言しただけに不完全燃焼だった。WBAとWBOで世界バンタム級14位のロブレスに対し、ボクシング初のKO勝ちが期待される中、この日は「“KOする詐欺”はやめようかなと（笑）。詐欺をやめたい」と笑いを誘った。

「やっぱりKOしたいですよ。KOを狙っていないという選手もいるけど、KOした方が楽。今までやり方がわかっていなかった。わかればバンバン行ける。それを噛み合わせる練習をしてきた。距離の詰め方、パンチのまとめ方の部分。まだ完璧ではないけど、（KO勝ちへの）パーツはそろってきた。

　もちろん、もらわないことも意識しています。その中で今までやってこなかったことをやってきた。相打ちでも行くし、カウンターだけじゃなく攻めていく。リスクを取るようにしたのが進化。飛び込んでいくこと。今までは相手が来てそれを対処するだけ。今回は自分でプレッシャー（圧力）をかける。そのやり方がわかってきました」

　9月の2戦目は試合中に左手を骨折。2か月ほど拳を打つ練習はできなかったが、この間は走り込み合宿などでスタミナを強化した。東洋太平洋スーパーバンタム級6位、日本同級7位。ボクシング転向前の格闘技戦績は47戦全勝（キックボクシングは42戦）だった。まずはスパーで成長を見せつけ、「だから、期待してもらっていいですよ」とニヤリとし、大粒の汗を拭った。

〇…興行は「Prime Video presents Live Boxing」の第6弾として開催される。WBA＆WBC世界ライトフライ級2団体統一王者・寺地拳四朗（BMB）が、元WBA正規王者のWBA1位カルロス・カニサレス（ベネズエラ）と防衛戦を予定。WBA世界フライ級1位のユーリ阿久井政悟（倉敷守安）は、王者アルテム・ダラキアン（ウクライナ）に挑戦する。