世界Sバンタム級4団体統一戦

　ボクシングの世界スーパーバンタム級（55.3キロ以下）4団体統一戦12回戦が26日、東京・有明アリーナで行われ、WBC＆WBO王者・井上尚弥（大橋）がWBA＆IBF王者マーロン・タパレス（フィリピン）に10回1分2秒KO勝ちした。米興行大手・トップランク社は、世界的ボクシングカメラマンが激撮した写真を公開。井上がタパレスの顔面を歪ませた決定的瞬間に、海外ファンから「明らかに精神と時の部屋にいた」「この男は異次元だ」といったコメントが寄せられている。

　堅く守ったタパレスの顔面に、的確な一発が入った瞬間だ。タパレスの右をかわしながらも、左を繰り出した井上。パンチはクリーンヒットし、タパレスの顔面は歪んだ。両者の汗が飛び散り、激戦を物語っている。

　井上と共同プロモート契約を結ぶトップランク社の公式インスタグラムは「彼は止められない」とつづって写真を公開。写真を撮影したのは“パンチを予見する”と技術を称されるボクシングカメラマンの福田直樹氏。米国で最も権威があるとされるボクシング雑誌「ザ・リング」で特集されたこともあり、今回も鋭い井上のパンチを撮影していた。

　衝撃を受けた海外ファンからはさまざまなコメントが集まった。

「イノウエは明らかに精神と時の部屋にいた。彼はとんでもなく強い」
「タパレスは素晴らしい試合をしたけど、イノウエが強すぎる」
「世界王者相手に、顔にほとんど当てられないなんて凄すぎる」
「イノウエはモンスターだ！」
「簡単そうにやってしまう」
「この男は異次元だ」

　井上は4回後半にロープ際でのラッシュでダウンを奪取。以降はタパレスに粘られたが、10回に見事なワンツーを突き刺して2度目のダウンを奪うと、膝をついたタパレスは立ち上がれず。男子では世界2人目、アジア人初の「2階級4団体統一」の歴史的偉業を達成し、世界戦通算勝利も日本人最多タイの21勝に伸ばした。