「清宮や万波、野村にも目を向けてほしい」 稲葉篤紀が願う次世代への継承…日本ハムが取り組むSC活動とは
プロ野球の日本ハムが行う「SC(スポーツ・コミュニティ)活動」が、日本財団がアスリートなどの社会貢献活動を表彰する「HEROs AWARD 2023」(スポーツ団体部門)に選出された。プロ野球チームの受賞は初めてとなる。2021年の東京五輪で日本代表監督を務め、来季から日本ハムの2軍監督となる稲葉篤紀氏は、現役引退直後の2015年から「SCO(スポーツ・コミュニティ・オフィサー)」としてこの活動の先頭に立ってきた。「清宮や万波、野村にも目を向けてほしい」と次世代への継承を願う活動の中身は、どんなものなのだろうか。
プロ野球チームとして初めて「HEROs AWARD 2023」を受賞
プロ野球の日本ハムが行う「SC(スポーツ・コミュニティ)活動」が、日本財団がアスリートなどの社会貢献活動を表彰する「HEROs AWARD 2023」(スポーツ団体部門)に選出された。プロ野球チームの受賞は初めてとなる。2021年の東京五輪で日本代表監督を務め、来季から日本ハムの2軍監督となる稲葉篤紀氏は、現役引退直後の2015年から「SCO(スポーツ・コミュニティ・オフィサー)」としてこの活動の先頭に立ってきた。「清宮や万波、野村にも目を向けてほしい」と次世代への継承を願う活動の中身は、どんなものなのだろうか。
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SC活動は多岐にわたる。主催試合の年間観客動員数「1人あたり1円分」の日本ハム製品を、北海道内の自立援助ホームやこども食堂北海道ネットワークなどに寄贈する「フード・カウンター」や、ウォーキングイベントを開催し、参加者の「10歩を1円」に換算、車いすソフトボールなど道内のパラスポーツ団体に寄付する「あしあと基金」、さらにウインタースポーツが盛んという本拠地の特性に合わせ、スキーやスケートの競技団体にジュニア選手の育成資金を提供する「ゆきのね奨楽金」などがある。
稲葉氏は2014年限りで現役引退すると翌2015年から「SCO」に就任し、同じタイミングで「SC活動」と名を変えた社会貢献活動の先頭に立ってきた。思い出として口にしたのは「あしあと基金」に参加した時のこと。「歩きながらチームのことや地域のことをいろいろ話すんだけど、みなさんが参加しているという意識を持ってくれたのが良かったと思う。最初は興味本位で来てくれたとしても、続けていくうちに自分も一緒に地域社会に貢献できるという気持ちを持ってくれたのがわかった」。
もちろんそこでは、日本ハム屈指の人気選手だった稲葉氏の“顔”も生きた。道内の少年野球場を修繕、整備する「ダイヤモンド・ブラッシュ・プロジェクト」などで道内の各地を回ると、触れ合った少年少女の笑顔に、活動の意義を実感することも多かったという。