最後の全日本シングルで万感の好演 ペア転向の本田ルーカス剛史、名伯楽も泣かせた最高の区切り
フィギュアスケートの全日本選手権(長野・ビッグハット)は23日、男子シングルのフリーが行われた。ショートプログラム(SP)14位の本田ルーカス剛史(木下アカデミー)はシーズンベストの144.04点をマークし、合計217.62点。10位に入った。ペア転向のため、シングルとしては最後の全日本。感極まって涙し、「次に向けて良かったと思える演技ができたことは大満足」と振り返った。
フィギュアスケート全日本選手権・男子フリー
フィギュアスケートの全日本選手権(長野・ビッグハット)は23日、男子シングルのフリーが行われた。ショートプログラム(SP)14位の本田ルーカス剛史(木下アカデミー)はシーズンベストの144.04点をマークし、合計217.62点。10位に入った。ペア転向のため、シングルとしては最後の全日本。感極まって涙し、「次に向けて良かったと思える演技ができたことは大満足」と振り返った。
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感謝を込めた。冒頭の3回転アクセルに続き、挑んだのは4回転トウループ。着氷は乱れたが、「どんな形でもいい」と何とか堪えた。フィニッシュを決めると、目指していた光景が広がる。360度、観客のスタンディングオベーションが生まれた。
「4回転をやらないと(シングルを)辞められないなという気持ちでした。3年前、羽生結弦選手がノーミスで演技をして、360度総立ちになったのを見て、いつかは自分もという思いでした。同じ会場だったので、それが見られて感慨深いです」
リンクから去るのを惜しむように、丁寧に歓声に応えてリンク外へ。迎えてくれた名伯楽・濱田美栄コーチの目には涙があった。得点はシーズンベスト。キス・アンド・クライで喜びの表情を浮かべた本田も、こみ上げてくるものが抑えられず、泣いた。
「正直こんなにいい演技ができるとは思わなかった。最後のステップ入るまで、少し『終わりたくないな』って気持ちがあった。(濱田コーチは)ありがとうって、すごく言ってくださって、涙してくれて……。頑張ってきて良かった。木下アカデミーが始まって、自覚はなかったけれど、最初は僕が引っ張っていく形になっていたと思うので、そういった面ですごく感謝してもらえた」
今年5月、清水咲衣とのペア結成を発表。全日本ジュニア選手権にも出場した。ペアに専念するため、シングルでの全日本選手権は最後。「もちろんここまでできるから、もっと上を目指せるんじゃないかという気持ちもありますけど、次に向くために今回最後だと意気込んでやった。いい意味でもう一回やりたいとは思わないなって。シングルの選手として、一つ区切り」。次は2人で上を目指す。
(THE ANSWER編集部)