中国エースと池江璃花子、涙の抱擁に両国が感動 中国メディアも「最もシンプルな友情」と強調
2023年もあとわずか。今年のスポーツ界でも印象に残る名場面、珍シーンが数多く話題になった。THE ANSWERでは友情、紳士的行動、スポーツマンシップに注目。見る人の心を感動させ、学びになるシーンを人物、競技、大会ごとにピックアップしてお届けする。第3回は9~10月に開催された杭州アジア大会。各競技で熱戦とともに美しいシーンにも脚光が浴びせられた。
今年スポーツ界で生まれた友情、スポーツマンシップをピックアップ
2023年もあとわずか。今年のスポーツ界でも印象に残る名場面、珍シーンが数多く話題になった。THE ANSWERでは友情、紳士的行動、スポーツマンシップに注目。見る人の心を感動させ、学びになるシーンを人物、競技、大会ごとにピックアップしてお届けする。第3回は9~10月に開催された杭州アジア大会。各競技で熱戦とともに美しいシーンにも脚光が浴びせられた。
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国境を越えた友情が生まれた。9月29日に行われた競泳女子50メートルバタフライ決勝後のメダルセレモニー。銅メダルの池江璃花子が、25秒10の大会新で優勝した中国のエース・張雨霏と涙ながらに抱擁した。長年、ライバルであり友人として切磋琢磨してきた2人。日本のみならず中国でも感動を呼んだ。中国メディア「潮新聞」は「美しすぎる抱擁」と伝え、「池江の物語は、誰もが知っているはずだ。天才少女から白血病罹患へ、病魔克服からプールへの復帰という物語を」「プールを上がれば2人の間にあるのは最もシンプルな友情だった」と関係性を強調した。
女子サッカー準決勝では、日本が完全アウェーの雰囲気の中4-3で開催国の中国を下した試合後、日本の選手たちが中国の水慶霞監督の方へ一列に並び深く一礼。さらに中国のメンバーやスタッフとタッチを交わしながら移動し、友好ムードを演出した。中国のスポーツメディア「ジーボーバ」は「相手への感謝! 日本の女子サッカーチームが全員で水慶霞・中国チーム監督にお辞儀をして感謝。水慶霞が拍手で応える」との見出しで記事を掲載。同国ファンからも「こういう行動は尊敬に値する」「マナー、スポーツ精神の面で、日本はすばらしい」などと多数の称賛を得た。
また女子バスケットボールの表彰式では、優勝した中国、決勝で激闘の末72-74の僅差で敗れた日本、さらに銅メダルの韓国の選手がお互いに称え合う場面があった。日本の高田真希、林咲希らが中国、韓国の選手と抱擁を交わし、満面の笑みを浮かべて言葉を掛け合う動画が日本オリンピック委員会(JOC)公式X(旧ツイッター)で紹介され、「ノーサイドみたいな感じ」「国代表の大会はこうあるべき」などとファンの反響も寄せられていた。
ラフプレーが注目される機会も多かった大会だが、戦いが終われば同じスポーツを楽しむ仲間。アジアの頂点を決める大会で、スポーツマンシップの原点を示した選手も多かった。
(THE ANSWER編集部)