今年スポーツ界で生まれた友情、スポーツマンシップをピックアップ

　2023年のスポーツ界でも印象に残る名場面、珍シーンが数多く話題になった。THE ANSWERでは友情、紳士的行動、スポーツマンシップに注目。見る人の心を感動させ、学びになるシーンを人物、競技、大会ごとにピックアップしてお届けする。第2回は若手からベテランまで実力者がそろった国内女子ゴルフツアーから。コース上では双子姉妹の絆や、元世界ランク1位選手の粋な計らいなど、称えあう選手たちの姿が目立った。

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　2年連続の年間女王に輝いたのは山下美夢有。決着した最終戦のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップでは、メルセデス・ランキング2位で惜しくも届かなかった申ジエ（韓国）が、セレモニーで女王を祝福。肩に左手を乗せると、下から覗き込むようにして顔を近づけた。急接近した申ジエの姿に一瞬驚いた表情を見せた山下だったが、粋な祝福にすぐに笑顔になり、ハグを交わした。

　申ジエは世界ランク1位となったこともある名手。実際の映像を見たX上のファンからは「人間性の良さを感じる!!」「一年の締めくくりとして良いシーン」「いやこれは申ジエさんが素晴らしい」などとコメントが書き込まれていた。

　山下、申ジエとともにツアーを盛り上げたのが岩井明愛、千怜の双子姉妹。明愛がツアー初優勝を飾った4月のKKT杯バンテリンレディスオープンでは、ウイニングパットを迎えた姉を妹・千怜が遠くから見つめた。左手を口元に当て、見守る側も緊張を隠せない様子。優勝が決まると、千怜は笑顔を見せながらも両手で涙を拭い、周囲の人とハイタッチ。姉とも涙ながらに抱擁を交わした。今季は明愛が3勝、千怜が2勝をマークした。

　惜しくも初優勝を逃した20歳・桑木志帆の気丈な姿も注目を浴びた。11月の日米共催ツアー・TOTOジャパンクラシック。稲見萌寧に1打届かなかったが、グリーン上で涙ぐみ、悔しさをにじませながらも稲見のウイニングパットを見届けると、笑顔で両手を広げて勝者へ祝福のハグ。心から健闘を称えあい、「年齢、経験と関係無く素晴らしいプロ意識」「桑木プロは強くなるんだと感じました」とネット上でも称賛が送られていた。

　プレー中の爽やかな称えあいもあった。5月のブリヂストンレディスでは同組で上位を争った菅沼菜々、西村優菜が6番パー5でともにピンに寄せる好ショット。菅沼が振り返って西村に「ナイスプレー！」と声を掛け、西村も「ありがとうございます！菜々ちゃんもナイスです！」と返したシーンが注目されるなど、実力者集まるツアーで様々な名場面が生まれた。