野茂もイチローも叩かれた米国で…大谷翔平だけは批判されない理由 粗探しも許さぬ“本質的能力”
米大リーグ・ドジャースに加入が決まった大谷翔平投手。メジャー史上最高&北米プロスポーツ最高となる10年総額7億ドル(約1014億円)の契約は米国中で話題となったが、米ニューヨーク州地元紙「ニューヨーク・タイムズ」は大谷が手厳しい米国の批評家たちすらお手上げにさせている理由に注目。イチロー氏らとの違いを説明している。
北米プロスポーツ最高額の契約で脚光
米大リーグ・ドジャースに加入が決まった大谷翔平投手。メジャー史上最高&北米プロスポーツ最高となる10年総額7億ドル(約1014億円)の契約は米国中で話題となったが、米ニューヨーク州地元紙「ニューヨーク・タイムズ」は大谷が手厳しい米国の批評家たちすらお手上げにさせている理由に注目。イチロー氏らとの違いを説明している。
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「オオタニの契約は金銭や感覚を超える」との見出しで、同紙のケン・ベルソン記者が執筆。記事では「日本人選手のヒデオ・ノモからイチロー・スズキ、そしてヒデキ・マツイの契約は利益をもたらすものであった。しかし、オオタニの記録的な大金は完全に違うものだ」とし、野茂英雄、イチロー、松井秀喜というかつての日本人スターを引き合いに、大谷の価値を指摘した。
ベルソン記者は「日本人プレーヤー(大谷)が単に優れているというだけでなく、国際的なゲームの中で最高で、そして最も人気があることの証拠である」と金額面での記録もさることながら、大谷が世界に与える影響に注目。しかし、これまでは「日本人選手がメジャーリーグで成功するにつれて、懐疑的な人は批判の理由を探してきた」と過去の事例をこのように挙げた。
「ヒデオ・ノモは1995年にドジャースに入団し、その年の新人王に選出された。しかし、ひねくれ者たちは、彼が成功したのは型破りなストップモーションの投げ方をしていたからだと主張した。イチロー・スズキが2004年に262安打でメジャー記録を作った時、評論家たちは、彼は主にゴロやライナーを打つから達成できたと批判した。ヒデキ・マツイは日本ではトップスラッガーだったが、ヤンキースでは普通のパワーヒッターだった」
記事では、こうした批判的な意見が飛び交う米国の地でも大谷が称賛を浴びていることを強調。その理由について「米国人たちを彼らの得意な分野で圧倒している」と分析する。
日本野球について著書を複数出版しているロバート・ホワイティング氏の話として「彼は500フィート(約152.4メートル)のホームランを打って、時速100マイル(約161キロ)の球を投げることができ、ほとんどの米国人よりも大きくて力強いのだ」と説明。誰よりも遠くに飛ばし、誰よりも速く投げるという本質的な身体能力で、粗探しも許さないパフォーマンスを特筆した。
二刀流で数々の記録を樹立してきた大谷。しかし、エンゼルスでプレーした6年間はプレーオフに進出できず。ベルソン記者は「オオタニと元MVPのフレディー・フリーマンとムーキー・ベッツに加え、優秀な投手陣のチームを組めればこれから10年間は強力なチームになれるかもしれない」と期待を込めていた。
(THE ANSWER編集部)