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大学屈指の“元ビッグマン”が見せた進化 プロで生き抜くために…バスケ佐土原遼の選択

川辺HCも喜ぶ成長「3番・4番の両方をできる」

 3日の群馬戦は佐土原が3ポイントやミドルだけでなく、ドライブからフィニッシュに持っていくシーンもあった。大学時代、広島時代には見たことのないようなパターンだ。

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「ここに来て初めて本当の3番ポジションをやっています。オフェンスは『自由にやっていく中で判断を良くしていこうね』という話を(川辺)泰三さんとしています。広島の時はスポットアップシューターで3&D(3ポイントシュートとディフェンスに特化したプレースタイル)でしたけど、幅が広がっているのは実感しています」(佐土原)

 群馬戦は「大学時代のチームメート」「広島時代の先輩」との対決で、佐土原にとって気持ちが入る試合でもあった。

 第3クォーター残り5分8秒、佐土原は右ウイングの位置から3ポイントを放って沈めた。すぐ脇の群馬ベンチに向かって、右手の中指から小指の3本を立てる「辻ポーズ」を披露した。辻は広島時代のチームメートで、昨季の佐土原がプレータイムを減らしている時、メンタルの持ち方やベンチでの振る舞いについてアドバイスをしてくれた恩人だという。

「ベンチに辻さんがいたんです。広島から抜けた選手は2人だけですけど、(辻と佐土原は)その2人です。自分の中でも(東海大の同級生だった八村)亜蓮に負けたくないっていう気持ちもありますけど、どちらかと言ったら辻さんにそういう気持ちがありました。辻さんがたまたま(ベンチに)いたんで、辻さんがよくやる『これ』をやったんです」(佐土原)

 辻が後輩のポーズに対してどう思ったかは分からないし、憤慨した群馬ブースターがいたかもしれない。ただ、そんな「バトル」もゲーム、エンターテイメントの一部ではある。

 川辺HCは佐土原の成長をこう喜んでいた。

「3番・4番の両方をできるのが(佐土原の)強みですが、3ポイントを空いていたら打つことはもちろん、ハンドリングやレイアップも練習からチャレンジさせているところです。ディフェンスも4番だけでなく3番の選手にどんどんつかせることで、ジャンプ・トゥ・ザ・ボール(ボールとマッチアップマンの間に飛びつくようにしてポジションを取るプレー)やオフ・ボールのディフェンスもできるようになってきた。ボールに対してのプレッシャーも良くなってきています」

 佐土原はそもそも「数字に出ない貢献」ができるタイプで、大学時代から見せているタフで泥臭いプレーは今も変わらぬ武器だ。ただB1の主力級としてコートに立とうとするなら、攻守ともにプレーの幅を広げる必要があった。プロ入り2シーズン目(特別指定としてのプレーを含めると4シーズン目)の彼はそんな現実と向き合い、着実な成長を遂げつつある。

(大島 和人 / Kazuto Oshima)


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