桃田賢斗、憧れの五輪連覇王者を圧倒 完敗の相手は脱帽「スピードで負けた」
敗れたリン・ダンは脱帽「モモタは絶好調だったし、ミスが少なかった」
敗れたリン・ダンは「昨日と一昨日の試合で体力が残っていなかった。スピードで負けた。モモタは絶好調だったし、ミスが少なかった」と完敗を認めた一方で「ここで彼と戦えて良かった。良い選手とは常に戦っていなければ(特徴が)分からない。これから、まだ何度も戦うことになる。次の対戦ではスピードに乗ったプレーでミスを少なくしたい」と強気に話し、プライドをのぞかせた。
リン・ダンの技術や立ち居振る舞いには、長く男子シングルスの頂点に君臨し続けた王者の風格が漂う。しかし、今季の世界選手権を制した桃田の強さが際立つ試合でもあった。桃田は「ちょっと寂しさを感じた。次からは自分がやらなければという気持ち。レジェンドにいつまでも憧れていられない。でも、勝ったときは、寂しさがあった」と話し、リン・ダン時代の終焉を自らの勝利が示していく時代の移ろいに対する心情を表現した。
リン・ダンのように、バドミントン界をけん引し、皆に愛される選手になりたい桃田は言う。次は自分の時代だとアピールするためにも、日本開催最高峰の今大会で頂点を目指す。
(平野 貴也 / Takaya Hirano)