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スイング改造4度、苦しみ抜いた稲見萌寧が遂げた復活V 涙の背景「今年は勝てないんじゃないかと」

女子ゴルフの日米共催ツアー・TOTOジャパンクラシックは5日、茨城・太平洋クラブ美野里C(6598ヤード、パー72)で最終日が行われた。統合シーズンだった2020-21年の日本ツアー賞金女王・稲見萌寧(Rakuten)が4バーディー、1ボギーの69で回って通算22アンダー。米ツアー初勝利で通算13勝目を挙げた。今季だけで4度のスイング改造。苦悩と葛藤を乗り越えて、涙の約1年3か月ぶりVだった。優勝会見では「ここで勝てた安心感で涙がこみ上げてきました」と胸の内を語った。

TOTOジャパンクラシックで優勝した稲見萌寧【写真:Getty Images】
TOTOジャパンクラシックで優勝した稲見萌寧【写真:Getty Images】

日米共催ツアー・TOTOジャパンクラシック

 女子ゴルフの日米共催ツアー・TOTOジャパンクラシックは5日、茨城・太平洋クラブ美野里C(6598ヤード、パー72)で最終日が行われた。統合シーズンだった2020-21年の日本ツアー賞金女王・稲見萌寧(Rakuten)が4バーディー、1ボギーの69で回って通算22アンダー。米ツアー初勝利で通算13勝目を挙げた。今季だけで4度のスイング改造。苦悩と葛藤を乗り越えて、涙の約1年3か月ぶりVだった。優勝会見では「ここで勝てた安心感で涙がこみ上げてきました」と胸の内を語った。

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 長かった。最終18番、2パットでも優勝の状況で放ったバーディーパットは惜しくも外れ、しゃがみ込んだ稲見。しかし微笑みながらもウイニングパットを沈めると、両手を突き上げて喜びを表現した。ギャラリーの拍手を浴びながら、笑顔で同伴競技者たちとハグ。しかし、優勝インタビューで最初の質問を受けると、思わず涙を流した。

「インタビューの最初に、しゃべろうと思っても声が出なくて。ずっと思っているのが、毎年1勝を目標にしていて、今年はなかなか勝てないんじゃないかという気持ちが強くて、ここで勝てた安心感で涙がこみ上げてきました」

 昨年8月28日のニトリレディスでツアー通算12勝目を挙げて以来、約1年3か月優勝から遠ざかっていた。優勝会見でも苦悩を語った。「今年のスタートは良かったんですけど、そのあとの4~6月はゴルフもそうですけど、体調も悪くて、そこで結構不調が続きました」。開幕戦のダイキンオーキッドレディスで2位に入るも、その後は出場12戦で6度の予選落ち。棄権も1度あった。

 今年は前半だけで4度のスイング改造。なかなか上手くいかなかったが、今週遂に良い感覚を掴んだという。トップに行くまでに回りすぎていた体を、耐えるように意識した。

 苦しい時期は「練習しても意味ないんじゃないか」「練習しないとうまくならない」の狭間で揺れ動き、葛藤もあった。一方で、精神的な成長もある。「プレーしていて前より大人になれたかなと思えるようになりました。前はうまくいかないと、落ち込んだり怒ったりあったんですけど、今はなんでうまくいかないか、考えたり相談したりできるようになりました」。心とプレーが整った稲見は強い。

 毎年1勝の目標も、これで5年連続で達成した。米ツアー出場権も獲得し、まだ来季どうするかは決めていないが「新しい未来が切り拓かれた」と喜んだ。久々の美酒を味わった20-21年度の賞金女王は「家に帰って、いつもサポートしてくれているみんなとご飯へ行きたい」と今は優勝の余韻に浸る。

(THE ANSWER編集部)


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